書籍『ギネス世界記録 2018』 公式インタビュー : 伊藤美誠(女子卓球選手)

"絶対に諦めることはしません"

スーパー卓球少女として、様々な大会を席巻し、最年少での記録を打ち立ててきた伊藤美誠選手。彼女がこれまで認定されてきた記録は、「オリンピックにおける卓球最年少メダリスト」「ITTFワールドツアー シングルス最年少優勝」「ITTFワールドツアーダブルス最年少優勝(合計年齢)」「1分間の高速卓球ラリー最多数」と4つにものぼります。卓球というフィールドで大活躍をし続ける彼女の胸にある想いはどのようなものなのでしょうか? 

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今回、ギネス世界記録に認定されての感想をお聞かせください。

今回4度目のギネス世界記録への認定であり、毎回、とても嬉しいことです。

オリンピックでメダルをとっただけでも嬉しいのに、さらにまた嬉しい思いをさせてもらえて、何だか「お得な気分」です。いただけたことで、「また次も良い成績を残そう!!」と気合が入りました。

伊藤選手は世界の大舞台でも、一切動じる雰囲気がないのが凄いですよね。そのメンタリティーは、一体どこから来ているのでしょうか?

自分でも、なんで緊張しないのか不思議です。勝ち負けだけに没頭せず、まずは試合=ゲーム。ゲームは相手との駆け引きを真剣に楽しむ事だと思っています。

もちろん、良い具合に緊張して力を出せる選手と、緊張したら固まって力を出せない選手がいると思います。

それは人それぞれだと思うので、別に緊張しなのが良いというわけではないと思うのですけど、私は緊張したことがないので正直わからないんです。

「自分がいつもやっていることを出し切れれば悔いはない」っていう風に思っているので、試合に関しては楽しんでいます。

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伊藤選手は、卓球という1つのことをずっと続けてこられてますね。普通だったら脇道に逸れてしまいそうなものを、ずっと「楽しい」と続けてこられていますよね。その「楽しさ」ってどういう点から来ているものなのでしょうか?

私は、「オリンピックで金メダルとる!」という大きな目標があったので、今までずっと楽しく卓球を続けてこられたんです。

今、ここで諦めてしまったら、2歳の終わりころからはじめた卓球人生、15年間が台無しになってしまう。

その努力が無駄になってしまう。だから、絶対に諦めることはしませんし、辞めたいと思ったことも1度もありません。

目標があったからこそ、諦めずに続けてこられたんですね。

でも、卓球はオフシーズンがないので、「休みたいな」という気持ちも、もちろんあります。だからこそ、休みはしっかりとるようにしています。

なかなか、「1週間」とか、まとまっては取れないんですけど、休む時にはしっかり休んでリフレッシュ。友達と一緒に遊びに行ったりします。

楽しいことがあれば試合を頑張れるし、練習も乗り越えられる。多分、卓球だけしかなかったら、続けていくのは難しいと私は思っています。

昔からの教訓で、「1日やらなかったら3日間やらなかったことになる」という言葉がありますが、そういう考え方は私には必要ないですね。

選手にもよるんですけど、「感覚派」「努力派」があって、私は1週間休んでも1ヵ月休んでも全然普通で、ずっと一緒なんです。

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伊藤選手は「感覚派」と「努力派」、どちらですか?

今は、「感覚派」ですね。小学生の頃まではすごい「努力派」でした。夜中の2時まで練習をやっていましたもん。

あれだけ練習をやっていたということが、今に繋がっているのかなと思いますね。

ただ、今はその時ほどやらないです。当時は基礎練習として土台を作るために、夜中の2時までやっていたというだけで、訓練という感じでした。

だから、今どれだけキツイ練習があっても崩れないのは、その時の練習があるおかげです。

今の自分のポジションとして、メンタルも技術も下には落ちずに上がっていけるのも、幼いときの基礎練習の努力があってなのかもしれないですね。

伊藤選手の同世代は黄金世代と呼ばれていて、卓球のイメージがガラっと華やかなスポーツになりましたね。今の風潮をどう感じていますか?

嬉しいですよね、本当に。それに関しては、福原 愛さんが種をまき、石川佳純さんと2人で育てて花を咲かせてくれたのだと思います。

それに続き、私たちが頑張るという感じだったので。

2人がいらっしゃらなかったら、こうして卓球の人気が花開いているかどうかも、わかりません。

福原さんと石川さんが花を咲かせてくださった分、私たちは満開になるように頑張っていけたらいいなとずっと思っています。

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同世代の選手たち、平野美宇選手、早田ひな選手は、みんな仲が良いですね。お互いにライバルでありながら仲が良い。この感覚は、一般的な価値観からすると不思議だと思うんですね。ビジネスマンにしたってライバル同士で仲良くというのはなかなかできませんから。それでも、良い関係でいられるのは、どうしてなのでしょう?

それは、お互いの環境や住む場所が違っても、小さい頃から一緒に頑張ってきたし、これからも頑張っていきたい仲間だからです。彼女たちにも、これまでの努力を無駄にしてほしくない。

今(世界卓球も含め)はひなちゃんとダブルスを組ませてもらっている試合もあるし、以前は美宇ちゃんと組んでいた。本当に、一緒に切磋琢磨してきた仲間なんです。

美宇ちゃんとひなちゃんがいなかったらここまで来れていない。これは100%絶対に。

なので、2人がいてくれて嬉しいし良かったなと思います。「卓球人」としてこれからも一緒に テッペンまで登れたらいいなと思います。

同世代だから、もちろんライバルでもあるんですけど、素敵な大事な仲間でもある。でも私は同世代の中で頂点にいたいです。

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2020年東京オリンピック、そこまでのご自身のイメージとして、どのように時間を過ごしていこうと思っていますか?

2019年の世界卓球個人戦で優勝して、2020年の世界卓球団体戦で優勝して、オリンピックでは個人戦と団体戦の両方で優勝したいです。

1個っていったらどちらもとれなくなると思うので、多い数だけ言っておきます(笑) 。

日本にも世界にも、「ギネス世界記録を取りたい」「世界を目指す」という人が沢山います。そんなチャレンジスピリットを持った方々にメッセージがあればお願いします。

私は、世界一になる「種」は無限大にあると思っています。

これは、みなさんのまわりにも目指せるもの、夢中になるものがたくさんあるということです。

その自分のやりたい事を貫いて、結果を出し、もっともっと自分を高めて、世界一、ギネス世界記録、とつながっていくことが、自分だけの花を咲かせることにいつながると思います!

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最後に、世界に到達するための努力のコツみたいなものはありますか?

私は、大きい目標を立てて、そこに到達するまでどうすればよいか小さい目標を立てつつ、逆算していきます。

その方法が私には一番あっていると思います。つまり、今ある身近な目標を決めるのではなくて、大きな目標を立ててからどんどん小さくしていくんです。

私自身も、オリンピックまでに世界卓球が3回あります2017年7月取材時点)。優勝のチャンスは、3回ある。世界チャンピオンになれる可能性はどこにだってあると思っているんです。

あとは、皆さんの周りにある沢山のチャレンジも含めて、くれぐれも体に気を付けて挑戦してほしいなと思います(笑)。

最後になってしまいましたが、一番大事なのは体調管理です。これは本当に大事。私は常にお肉を食べて体の力になるタンパク質をしっかり摂取して、睡眠もしっかりとって、常に体調を万全な状態に保っています。

人によって違うと思いますが、そういう力になる食べ物や睡眠、体を大事にしながら、世界を目指してください。私も、頑張ります。

幼い頃から練習に明け暮れて、結果、トップを走り続けている伊藤選手。その言葉の力強さには、たくさんの元気をもらえますね。伊藤選手の記録は書籍『ギネス世界記録』にも掲載されています。

[ 編集部 スズ ]  

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