近年、多くの地域で地域活性、町おこしとして取り組んでいただいている最多人数系の記録。もしかしたら、「多くの人が集まればできる?」と簡単に考えている人、結構いるかもしれませんね。しかし、その実際はどうでしょう? 最多人数系の記録挑戦の難しさ、リアリティは、これに参加した人や、主催した人、その場に立ち会った人にしかわかりません。というわけで、今回は、企画を取り仕切ったバウンスクリエイティブの丸山さんへのインタビューを敢行しました。「ギネス世界記録をみんなで達成する」とはどういうことなのか? 感じてみてください。

挑戦の出発点

今日は、少しいつもと違った視点からイベントを紹介します。今回、インタビューに協力してくれたのは、バウンスクリエイティブというイベント運営の会社の丸山和幸さんです。今回、最多人数で鳴らすパーティークラッカーという記録への挑戦イベントを取り仕切った人物です。

「この企画は、元々、日産大阪販売株式会社5周年の記録として持ち上がったものでした。会社のスタッフや、社員を支えてくれる家族に対しての感謝の意を表してファミリーフェスティバルというものを開催したかったのです」。

ここがギネス世界記録の出発点でした。社員や家族をあつめるとその人数が相当数、1,000名を超えることを見込んでいた同社は、「これはギネス世界記録になるのでは? 社員とその家族みんなで力を合わせて何かできないか?」と考えたのだそうです。

「コンセプトは、“一体感、達成感”でした。」と同イベントを取り仕切った丸山さんは語ります。社員全員で何かに取り組み、力を合わせて挑戦しながら、達成感を味わう。そして、その結果として会社がひとつになれたら最高だ、と考えたのです。

想像を超えた大変さ


しかし、当初予想していたギネス世界記録への挑戦とは、大きくかけ離れた内容、予想を超えた挑戦になったという言葉からは、その舞台裏、挑戦にまつわる細かい点の難しさを伺い知ることができます。

「特に大変だったのは、監視員集めでした。監視員を“主催者“や”挑戦者“に関わりのない人に頼まなければならなかったので、ホームページ、SNSなどを駆使してボランティアを集いましたが、集まりきらず、最終的には、派遣会社に頼るという手段にも出たほどです。」

彼がぶつかった世界の壁の厚さはそれだけではありませんでした。挑戦人数の確認の方法や、それをカウントする仕組みを正確なものにするために、バーコードやバーコードスキャナを導入したり、監視員が30人ひとかたまりの挑戦者を明確に区別できるような会場レイアウトづくりをしなければならなかったりと、整えなければいけない環境は、決して想像していたようなインスタントなものではなかったようです。

「取り組む前は、簡単に考えていました。でも、いざ、取り組んでみると、結果的には、もの凄く大変なイベントになっていました。途中、しんどいなぁと思いましたが、同時に、さすがギネス世界記録! そう簡単にはとれないものなのだ、という思いに変わっていました」(丸山さん)

この点については、同様に、多くの主催者、挑戦者、観衆が勘違いされるのですが、ギネス世界記録は、世界中で平等にオープンに挑戦されるものなので、だからこそ、その基準というものが、厳しく設定されているのです。


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記録達成の喜び


しかし、彼が取り仕切ったイベントは、見事にギネス世界記録を達成し、認定されることになり、ハッピーな大団円を迎えることになるのです。「最多人数で鳴らすパーティークラッカーMost people popping party poppers)」の記録は、1,223人、これに対して、彼らが達成した記録は1,537人と、300人以上を上回ったのです。

「実は、失敗したとき用にも予備のクラッカーも用意していたのです。それほど、どうなることか、不安でいっぱいでした。でも、無事、記録達成できたときには、ホッとしました。それに、挑戦者の皆さんが喜んでいる顔を見たときには、涙が溢れでました」(丸山さん)

そして、同氏は、ギネス世界記録への挑戦イベントを次のように語ってくれました。

「誰もが持っているものではない。そして、苦労は多いが達成できた時の喜びは大きく、多くの人と共感しあえる。日頃から仕事という共通の目標をもって頑張っている仲間と世界一に挑戦するということは、社内のコミュニケーションを活性化させ、一体感を作り、社内の結束を高める最高のイベントにすることができました」


世界記録の主役は、やはり挑戦者。しかし、今回はあえて、挑戦イベントを取り仕切った企画運営者の視点にスポットを当ててみました。それにしても、ギネス世界記録の認定、本当におめでとうございました!! また、素敵なイベントで多くの人たちを笑顔にしてくださいね。[編集部 スズ]


⇒ ギネス世界記録に挑戦してみたい!」という方は、こちらをご参照ください。

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