ラザロ・シャラーが絶壁からのクリフダイビング(クリフジャンプ)記録樹立


スイス・ティチーノ州のマッジャにおいて、昨年の8月、27才のラザロ・シャラーが、飛び込み台からの最高高度のダイブ Highest dive from a diving board、そして同時に最高高度のクリフジャンプ(崖からの飛び込み=クリフダイビング) Highest cliff jumpのギネス世界記録を樹立しました。


世界記録挑戦の場所、ここは息を呑むような美しい景観が広がる土地です。そこにあらわれたのがラザロという恐れ知らずの冒険家。彼が身を構えたのは、58.8m(192 ft 10 in)にも及ぶ高さの岩肌でした。といっても、この数字から高さがイメージできないと思うので、比較対象をみてみましょう。


例えば、この数字に近いのは、イタリアのピサの斜塔(56.71m)、日本であれば17階建てのビルにも相当する高さです。17階というと、相当な高さだということがわかるかと思います。


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この挑戦、もちろんその場にいってただ飛び込めば良いばかりではありません。事前に何ヶ月にも渡る準備が必要になります。まずラザロとチームメンバーは、平坦で堅固に固定されたダイビングボードを製作しなければなりませんでした。

また、飛び込む水面も、彼が飛び込んでも安全かどうか、スキューバ装備を用いての検証が何度と泣く行われたのです。 真似をする人はいないでしょうが、良い子は絶対に、真似をしてはいけないのが、わかると思います。


こうした念入りな実行プランのもと、クリフダイバーのラザロは、1987年にフランス、ヴィレ・ル・ラックにおいてオリビエ・ファーブル(スイス)によって達成された記録を、なんと5mも更新することに成功したのです。

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この人物は、ブラジル生れ、スイス育ち。定期的に高飛び込みのショーに参加し、この極めて危険な「スポーツ」に高度な経験を持った人です。この記録が生まれた裏には、最大限の準備と集中力、そして適切なトレーニング、経験によってのみ達成されるものだということは、間違いがありません。


そんな彼の記録挑戦でも、8mの水面には6つのタンクで空気が供給され、ラザロの着水時のショックを和らげる手段も講じられましした。しかし、それでも、少し行き過ぎたことで、彼自身は足とお尻に怪我を負ってしまったそう。まあ、ビルの17階から飛び降りて、怪我をしないほうが不思議ではありますが。


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この記録挑戦は、彼自身にとっても、大きな意義があったようで、現場では、自分の限界を打ち破れたことと、驚嘆に値する新たなギネス世界記録を樹立してクリフダイビングの歴史に名を刻んだことに、大興奮、大喜びをしていたようです。

なにはともあれ、ギネス世界記録の達成、おめでとうございます!!  ちなみに、日本から生まれたジャンプにまつわる記録には、「Most bungee jumps in 24 hours outdoors (5 - 10 metre bungee cord)」などもがあります。挑戦したい猛者がいたら、計画は念入りに立ててくださいね。

  • 記録名:Highest cliff jump
  • 記録:58.8m(192 ft 10 in)
  • 記録保持者:Laso Schaller (Switzerland, b.Brazil)
  • 挑戦日:2015年8月4日
  • 記録のタイプ:クリフダイビングの世界記録

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