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いちご摘みの様子

震災後の復活、未来に向けて

2017年3月5日、宮城県亘理町において、集まった人たちみんなでいちごを同時に収穫する世界一に挑戦するイベントが行われました。

この挑戦には、「震災後に建てられたハウス」で栽培された宮城県にしかないいちご品種の「もういっこ」が用いられました。

この摘み取りイベントに集まってきたのは亘理町の町民を中心に1,000人にを超える人々でした。これだけの人々が集まってきたのには、大きな理由がありました。

実は東日本震災以前、年間約2,200 t の生産量をほこり、亘理町は東北地方で一番のいちご産地として知られていました。しかし、震災の被害は甚大で、250戸ほどの農家のうち大半の農家が同町の作付面積の9割以上が津波で重大な被害を受けることに。

そして津波による被災は、海水の侵入などで果樹に影響を及ぼす「塩害」も発生し、栽培方法までもが変わってしまいました。

それでも、被災からこれまでの復興を通して、復興交付金を活用しながらビニールハウスを大型化、集約化して「いちご団地」を造成したのです。現在では、ハウス団地を含めて数えると、170戸がいちごの栽培を再開している形になるそうです。震災前と比べると、生産農家の数は減りましたえが、2016年のいちごの生産量は、震災前の約80%に相当する、1,800 t までもどってきたのです。

こうして苦難を乗り越えた彼らはいま、新たにいちご農家として生活できていけることに、安心感を感じてもいるようです。

赤く色づくいちご

いちごの甘い香りが漂う中、素敵な雰囲気での挑戦

そんな彼らが、挑戦したのは、「同時にいちご狩りをした最多人数|Most people picking strawberries simultaneously (single venue)」だったわけです。そんなことから、思い入れは一入(ひとしお)。多くの地元民が集まり、みんなで復興を祝い、祈り、達した数字は、1,141人でした。

ギネス世界記録公式認定員が「認定」のアナウンスを行うと、朗らかな笑顔が会場に広がったのでした。認定員も、同記録挑戦を「甘い香りの中で、素敵な挑戦」と表現しました。

公式認定証の授与

ギネス世界記録達成、本当におめでとうございます!