gwrday-seminar-thumb1

2018年11月8日は『ギネス世界記録の日』。この日は2004年、書籍「ギネス世界記録」が世界で最も売れている年刊本になったことを記念に設定した日です。

「世界一を目指し、挑戦する人々を応援し、讃えよう!」という想いが込められており、人それぞれが持つ可能性にスポットライトを当て、『世界一』を通じて人々が繋がるきっかけを作るのが目的です。世界中で記録挑戦が行われ、世界一を目指す人々の刺激となるイベントが開催されます。

そんな記念すべき『ギネス世界記録の日』を祝うべく、日本オフィスに縄跳びで数多くのギネス世界記録を獲得した生山ヒジキさん、そして四足走行の100m走でギネス世界記録を更新し続けているいとうけんいちさんをお招きしました。世界一への挑戦の道のりや想いについて語っていただきました。

gwrday-seminar-1

ーーまずはお二方の自己紹介をお願いします。

生山:生山ヒジキです。僕は縄跳びを職業にしていて、小学校や幼稚園など教育機関に縄跳びの出張指導という形で直接学校の体育の授業のなかに入って、縄跳びに触れてもらって楽しんでもらうということをしています。あと、休みの日などはショッピングモールなどで縄跳びパフォーマンスショーを行っています。

いとう:僕は小さい頃からお猿さんがすごい大好きで、逆立ちとか木登りとか、お猿さんっぽいことをすることが好きだったんですね。それである時四足歩行で走ってみたところ、「意外と速く走れるじゃないか」と思って、そこからずっと追求していきました。そして「世界一の証明が欲しい」と思ってたどり着いたのがギネス世界記録でした。基本的には毎年挑戦させていただいています。

横浜でAll Fours Gymという会社を立ち上げて、(壁を登っていくのがお猿さんっぽい)ボルダリングと四足走行を体験できるジムを開いて、そこで練習しながらがんばっています。

ーーそれぞれの道を究めてまい進しているお二方ですが、原動力は?

生山:好きっていうのが一番大きいかもしれないですね。僕が縄跳びに出会ったのは小学校3年生の時で、1年生2年生の時はあまり学校に行きたがらない子で、集団で物事をするというのが苦手でした。そんななか3年生の時に、担任の先生に初恋をしました。先生は縄跳びが得意だったので、「縄跳びが上手になったらもしかしたらこの先生に気に入ってもらえるかもしれない」と思って縄跳びを持ったのが始まりです。

最初は先生に気に入られたくて始めたのですが、やっていくうちにできなかった技ができるようになった時の「よっしゃー!」という感覚がすごく大きくて…それが大人になったいまでもずっと続いています。それが自分を動かしている原動力になっていると思います。

gwrday-seminar-4

いとう:僕は小さい頃からお猿さんが好きで、何とかお猿さんっぽいことで活動したいなと小さい頃からずっと思っていました。そこでブレイクダンスなどもやってみたのですが、突き抜けた才能は持っていませんでした。例えばパントマイムとか中国拳法とかいろんなことをやってみたのですが同じで。それでも諦めるのが嫌で、自分の才能を見つけて、できれば猿っぽいことで評価されたいと思いました。それでギネス世界記録に行き着きました。まとめると自分の原動力は「お猿さんっぽく生きたい」というところにあると思います。

ーーギネス世界記録に挑戦しようと思った理由は何ですか?

生山:以前までは、ギネス世界記録って挑戦の仕方も分からないし、はるか遠くの出来事だって思っていました。でも日本にギネス世界記録の支社ができると「もしかしたら申請したらいけるかもしれない」と思えるようになってきました。いろんな記録に挑戦するようになったのは、それが大きな要因のひとつだと思っています。

いとう:僕はまず四足走行というものに出会って、それをとにかく追求したかったんですけど、ただひとりで練習しているだけだとどうしても緊張感がないというか、「こういうことをやっているんだよ」ということをみんなに知ってもらいたいというのがありました。そこで「世界一の証明」としてギネス世界記録に申請させていただきました。

gwrday-seminar-8

ーー挑戦に挑戦するにあたり、苦労したところを教えてください。

いとう:一番は日々の練習が大変ですね。やっぱりなるべく自分自身にできる良い記録を残したいという気持ちがあるので、お酒を控えたり食べるものも全部セーブしたりして。でもやっぱり、実質練習が一番大変ですね。

生山:「いろんなものが全て合致しないと挑戦できない」というところです。例えば24時間縄跳び挑戦の時は施設探しに苦労しました。区民センターの場合は「9時から21時までは貸せるけれど、夜中の時間は貸せない」ということがあって、挑戦日近くまで場所が決まりませんでした。最後にアシックスさんが手をあげてくれて、施設を確保することができました。

gwrday-seminar-6

あとは、自分の体調がわけ分からないというのがありました。6月に6時間チャレンジをして、7月に12時間チャレンジをして……というステップを経て24時間チャレンジに臨みました。こうしていろんな段階を踏んでも、予期せぬことはたくさん起こりました。それに対する準備……予測のつかなさっていうところが24時間って練習では絶対できないと思っていました。「もう一生に一度の一発勝負だ!」と。全ての条件を合致させるところがすごく難しかったですね。

ーー実際挑戦をしている最中は、どんなことを頭に浮かべていますか?

いとう:僕は、100m走る時に必ず歩数を数えてるんですね。大体100mを走る時は32歩で走るんですけど、前足で12歩目までいって、そこから15歩目までに加速を付けて……ということをやっています。

生山:短いチャレンジの時はとりあえず最初の10秒は引っかからずに跳ぼう……それしか考えていないです。ここで波に乗れたらいけるなと。そのためになるべくがんばってマックス・スピードまで上げるということしか考えてなかったりしますね。そこをクリアすると最後までいけるという自分の確信というものがあるので、最初の10秒はとても大事にしています。24時間挑戦に関しては……「無」でした(笑)

ーー挑戦をやめたいと思う時はありますか?もしそう思った時は、どうやって持ち返しますか?

いとう:毎年挑戦する時に、必ず2,3回くらい何かしらの怪我をするんですね。一番怪我をするのは前足の手首のところで。今年は練習にハチに刺されたりとかして、足が腫れちゃって、一週間練習できなかったんです。毎年なんかそんなことがあって、そうなったその日とかはすごく落ち込むんですけど、やれることしかできないというのがあるので、例えば足が腫れているなら上半身の筋トレをしたりします。やれることをやってると、自分のなかですごく安心できるんですよね。

生山:僕は挑戦のことを一度頭から外します。スランプというか、うまくいかなかったらということを考えたりしないように、一旦忘れます。それでも日々の仕事のなかで縄跳びは跳んでいるので、縄跳びから離れることはありません。挑戦とは違うところで縄跳びをやったことによって、もう一度挑戦に向けた練習をした時に上達したり成功したりすることは結構あります。

ーー最後に、お二方にとってギネス世界記録とは?

生山:「好き」をもっと追求させてくれるものかもしれないですね。この存在がなかったら、好きな縄跳びを自分のなかでどう高めていってアピールするかというのを自分でゼロから作り出さなければいけません。ギネス世界記録という既に世に知られているものをひとつの土台にすると、広がりも大きくなると思います。自分が好きなものを広げられる……そんなものだと思います。

いとう:僕は珍しい競技をやっているので、僕のなかでのギネス世界記録は、そのようなものを公式に「ナンバーワン」にしてくれるものだと思います。僕にとってすごく大切なものです。

2018年11月8日は『ギネス世界記録の日』!詳しくはこちらをご覧ください。