視覚に障がいを持った選手がプレーできるように考えられた、パラリンピックの正式種目「ブラインドサッカー」。このパラスポーツを通じて挑戦するマインドを育んでもらうために、ギネス世界記録の挑戦が行われました!

8月8日、昭和女子大学で開催されたイベント「朝小サマースクールin 昭和女子大学2018」で行われた挑戦は「最大のブラインドサッカーレッスン|Largest blind football (soccer) lesson」。子どもたちは、コーチや、東京発のパラスポーツファンサイト「TEAM BEYOND」のメンバーなどと一緒にレッスンに挑みました。なかには「ギネス世界記録に挑戦するチャンスはなかなかないから」と、茨城県から参加した親子も!

2020年東京で行われるパラリンピックの正式競技として選ばれたブラインドサッカーですが、詳しく知らない人も少なくないのでは。実際参加した子どもたちも、はじめはどのようなルールなのかよく分からなかったようです。

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レッスンが始まると、まずはブラインドサッカー女子日本代表の監督、村上重雄さんがブラインドサッカーの説明をしました。1チームはゴールキーパーを含む5人の選手で構成されていて、ゴールキーパー以外は全盲の選手で、アイマスクをつけてプレーします。

「ブラインドサッカーは、見える人と見えない人が一緒に楽しめるスポーツで、コミュニケーションがとても大切です。」村上監督がブラインドサッカーの魅力を語る姿に、子どもたちは納得した表情で聞き込んでいました。

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その後、子どもたちは6チームに分かれ、それぞれにコーチがつき、ブラインドサッカーを体験します。2人でペアになり、1人がアイマスクをつけます。何も見えなくなった状態でどうやってコミュニケーションをとれば良いのか……アイマスクをしていない子どもたちは、コーチの体の動きを言葉を使って伝えたりして、その難しさを実感しました。

一方で目隠しをした子どもは、声や音を頼りに歩いてみたり、シュートしてコーンに当ててみたりするも、なかなかうまくいきません。ブラインドサッカーの難しさを目の当たりにしました。普段サッカーをやっているという小学校6年生の蒼大くんも、びっくりしてしまったそうです。

名前は聞いたことがあったけれど、ブラインドサッカーがどんな競技かは知りませんでした。やってみたら、アイマスクをすると、いつもと同じようにまっすぐボールを蹴ったつもりでもコーンに当たらないし、驚きました。

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レッスン後半で行われた、チーム対抗で点を競うシュートレッスンになると、会場は大盛り上がり。良いパスやシュートがあると、大きな歓声があがりました。そしてレッスン終了後に参加者を待ち構えていたのは、ギネス世界記録挑戦の審査。結果、レッスンに参加した人数は287人で、見事ギネス世界記録が達成されました。

このレッスンを担当した日本ブラインドサッカー協会の髙山 ゆずりさんは、レッスンを通じてブラインドサッカーを子どもたちに教えることができてよかったと語りました。

参加者全員にいかに分かりやすく伝えるか、インストラクターを中心に各チームにコーチをつけて、どう伝えていくか練りました。結果、こんなにも大勢の人がまとまって同じことをできたし、参加者も集中してレッスンをしてくれて、感動しました。

ブラインドサッカーを知ってもらうことで、普段、目の見える子どもであれば、なかなか出会うことのない目の見えない人に出会い、触れ合ってもらうこと……それ自体にとても意義を感じています。

はじめはブラインドサッカーの難しさに驚いた蒼大くんも、「目に障がいがある人とない人が一緒にやるスポーツだから、それぞれの役目を果たすことが大切だと思った」と、このスポーツの魅力を身をもって実感できたようです。ほかにも多くの参加者が「パラリンピックの応援に行きたい、試合を見たい!」と、ブラインドサッカーのとりこになったようです。

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パラリンピックまであと2年。ブラインドサッカーをはじめ、多くのパラスポーツがより注目を浴びることを期待しています!