古き時代から食べられているパン。その最も古い形跡がヨルダンで発見されました。

コペンハーゲン大学の考古学研究グループが発見した「最古のパン|Oldest bread」は14,400年前のもの。ヨルダン北西部の砂漠で発見されたこのパンは、6月12日に年代測定が行われました。

パンが見つかった石の構造物

フラットブレッドのようなパンを分析したところ、大麦、ヒトツブコムギ、オーツ麦の"先祖"となる野生の穀物で作られていたことが発覚。

Ali Shakaiteer と Amaia Arranz-Otaegui博士

このパンの化石の驚くべき点は、以前に発見された9,000年前のパンよりさらに古いだけではなく、農業が大きく発展する前であること。研究者たちは、狩猟採集社会から農耕社会への進化途上の時点で穀物を育てていたのではと推測しています。

穀物を挽いて麦粉を作る実験の様子

コペンハーゲン大学のAmaia Arranz-Otaegui博士によると、このパンは栽培化がなされる前の野生の穀物を、挽いて、ふるいにかけ、練って作られていると言います。

「化石はヨーロッパやトルコにある新石器時代や古代ローマの形跡から発見されている、種無しのフラットブレッドによく似ています。農業が発展する前から、このようなパンが作られていたことが分かったのです。」

発見されたパンの顕微画像

ちなみに"最古のパン"の他にもギネス世界記録を獲得している食材があります。

例えば"最古のチーズ"。紀元前13世紀に作られた3,200年前のチーズは、古代エジプト、メンフィスの首長であったプタハメス(Ptahmes)の墓で発見されました。割れたビンのなかに入っていたその"白い固形物"を分析したところ、羊乳や山羊乳を使って作られた乳製品であったことが判明したのです。