日中は中華料理店で鍋を回し、夜はクラブでターンテーブルを回す……二束のわらじを履く岩室純子さん(a.k.a. DJ Sumirock)が、ギネス世界記録に認定されました!

その記録タイトルは「最高齢のプロフェッショナルクラブDJ|Oldest professional club DJ」。認定時の年齢は、なんと83歳113日でした。

そんなSumirockさんの"主戦場"は新宿・歌舞伎町にある『Decabar Z』。彼女の音楽活動はそこだけにはとどまらず、国内はもちろん、パリやニュージーランドなど世界各地のクラブハウスを飛び回っています。

公式認定証を受け取るSumirockさん

DJを始めたのは、友人のアドリアンさんに「DJやってみないか」って言われ「おもしろそうだな」と思ったのがきっかけだったのだとか。そして当時77歳だったSumirockさんは、DJの学校に通い始めました。

それから6年。月に1、2回はターンテーブルの前に立つSumirockさんの1日は、レストランの厨房から始まります。自身が経営する中華料理店で調理をし、それが終わったあとに、夜中の1時前からクラブへ。

純子さんが営むレストランにて(写真:David Zavaglia)

かなりのハードワークに耐えるエネルギーはどこから湧いてくるのかと聞くと、「どこからと言うか、生まれ持っているもんじゃないかと(笑)特にサプリメントとかも飲んでないし、運動もしてないんですけど、毎日の仕事が疲れる仕事なので、ちょっと睡眠時間がずれても違うことをすると元気になります」と笑顔で答えました。

Sumirockさんが特に好きなジャンルはテクノ。DJブースに立つ時は、そこにロックを入れたりジャズ、たまにはアニソンを少し入れたりしているのだとか。しかし、その日にかける曲は気分によって大きく変わるそうです。

「なんか飽きっぽい方なので、これに凝ったりとかはないんですよね。だからその時準備のため色々聞いて選んで、いいなって思ったのをつなげます。」

レストランのお客さんと、クラブのお客さん……一見全く種類の違う客層ですが、Sumirockさんによると、どちらも変わりがないと言います。

両方とも、結果が早く出るんですね。DJしててもつまんなければお客様はスッといなくなって飲みに行っちゃう……ダンサブルだと踊ってくださる。 お料理もおいしければ、ちゃんと笑ってくださるし「おいしいよ」と言ってくださる。 結果が早いのと、反応が分かりやすいっていうのは共通していると思います。

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Sumirockさんが生まれたのは1935年1月27日。「外国で何かをしたい」という夢を抱いていたSumirockさんは、高校を卒業して間もなく父親が飲食店を始めると、それを手伝う日々が始まりました。そしてジャズドラムをしていたこともあり、Sumirockさんの父親は、子どもたちに音楽をやらせることを拒みました。「父が亡くなるまでは、父の孫にも音楽習わせてなかったんです。」

現在では世界を飛び回り音楽活動を行い、かつての夢を叶えることができたSumirockさん。「ただ年齢だけのことだから、大したものじゃない」と謙遜する彼女に、夢や世界一に向けてがんばっている人へのメッセージをお願いすると、こう答えました。

「チャンスは毎日ありますよ。 諦めないで、何かやってみてください。」

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