Largest-bivalve-shell-sentence-thumb-1

2019年3月17日、岩手県釜石市でギネス世界記録「二枚貝の貝がらで作られた最大の文章|Largest bivalve shell sentence」が認定されました。

新しく設定されたこの記録……基準として設けられた1,000枚を超え、1,012枚の記録を残す事に成功しました。

Largest-bivalve-shell-sentence-7

挑戦に使われた貝殻は、三陸でとれた養殖の帆立。地域の参加者は文字の形に合った大きさの貝殻を選び、隙間なく丁寧に並べていきました。

貝殻で並べた文章……それは、東日本大震災後に支援をしてくれた全ての人たちへのメッセージでした。

一人ひとりに、ありがとう
#Thank you From KAMAISHI
#Thank you From SANRIKU
#Thank you From TOHOKU

このイベントの事務局を担当した柏山 弦さんによると、ギネス世界記録に挑戦するアイディアは、釜石市内の小中学生も参加する「かまいし絆会議」で提案されたそうです。

地元の皆さんと共に世界中に震災の支援の感謝を伝える方法はないか。そして地元のものを使って行えないかと考えていたところ、三陸産の帆立で大きな「ありがとう」の文字を書いて、ギネス世界記録をとって、世界中の皆さんに支援の感謝を伝えられたらいいね、というアイディアが出てきたのです。

貝の養殖が盛んな三陸。もともと産業廃棄物で処理に困っている貝殻をいろんな人たちからいただいたそうです。しかし捨てられるものなので、汚れている貝殻も少なくなかったとか。挑戦に向け、寒い冬のなか協力して貝殻を洗ったそうです。

Largest-bivalve-shell-sentence-6

記録が見事達成した後、柏山さんは「たくさんの釜石の皆さんに集まっていただいて、力を合わせて世界記録を作って喜びあって、笑顔と共に世界中に感謝を伝えるきっかけができて感謝しています」と語りました。

Largest-bivalve-shell-sentence-3

イベント当日は、ギネス世界記録挑戦と並行して、釜井市内の小中学生2,300人が色を塗った貝殻でできたモザイクも製作されました。この『貝画』はラグビーワールドカップに合わせて釜石鵜住居復興スタジアムに飾られる予定で、この作品にも、世界中の人たちへの感謝の想いが込められています。

さらに3月23日にはJR山田線宮古ー釜石間が三陸鉄道に移管され、全長163 kmのリアス線が開通となります。それに合わせて、地域の学生たちがデザインしたラッピング列車も運行する予定です。

Largest-bivalve-shell-sentence-2

東日本大震災から8年。柏山さんは今後もあらゆる形で復興に携わっていきたいと考えているそうです。

年月を重ねる事で、取り巻く状況は変わっていきます。そこで一人ひとり何か寄り添うような事とか、喜んでいただけるような事とか、共に歩む事ができたらいいなと思っています。