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「環境に配慮した食生活」をテーマにしたレッスンが、ギネス世界記録に認定されました。記録タイトルは「最大のサスティナブルフードレッスン(複数会場)|Largest sustainable food lesson (multiple venues)」。東京・和歌山・沖縄の3拠点同時中継で行われたこのレッスンで達成した記録は、なんと359人!登壇したのは京都大学農学研究科の秋津元輝教授、そして東京農業大学の雜賀慶二客員教授の2人。持続可能な食の重要性や、それに向けての解決策などについて講義しました。

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サスティナブルフードとは「持続可能な食」の事。 食糧は、生産、加工、流通、消費後の処理などの過程で、自然に負荷を与えています。サスティナブルフードは、自然と共に歩んでいくという考え方に基づき、それらの負荷を抑えながら作られている食べ物です。

秋津教授は「食から考える持続可能な未来」をテーマに、食のみに焦点を当てるだけではなく、食から社会全体を考える事について語りました。農業や農村の研究を行っていた秋津教授は、その持続可能性に危機感を感じ、農業・農村の現場から、消費している都市や消費者まで全ての過程で考えなければいけないと考えるようになり、現在では食という窓口を通して、どういった農業を作っていくべきなのかを研究しています。

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レッスンでは、包装などに使われているプラスチックの使用が環境に影響を及ぼしているかについても解説。過剰なプラスチックの利用を控えるなど、食べるという事を常に頭に置きながら、持続可能性に結びつくような行動を起こすべきと語りました。また、農業や食に従事する人たちも「持続可能」であるべきで、安さばかりを求めるのではなく、消費者が購入した食糧の対価が農家の人たちに届き、農業が続けていけられるような環境を作る必要があると論じました。

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そして雜賀客員教授は、その取り組みの一例としてBG無洗米を紹介。肌ヌカの性質を活かして精米されたBG無洗米は、製造時にとぎ汁が排出されない、とぎ洗いが必要ないため水を使用しない、製造時に取り除かれた肌ヌカは肥料(米の精)として活用されるなど、「持続可能な社会」の実現に必要なサスティナブルフードの一つとして、注目されているそうです。

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認定には公式認定員の他に9人の監視員、6人の証人、3人のタイムキーパーが担当、各会場で厳密な審査を行いました。入場時には、公式認定員がカウンターで入場者数を厳密にカウントしました。また、レッスン中に居眠り、会話、携帯でゲームをした参加者は失格となり、測定人数から外されてしまいます。公式認定員、監視員と証人はレッスン中に会場を回り、失格対象者の確認を続けました。

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公式認定員から認定の発表があると、会場は盛大な拍手に包まれました。公式認定証を授与したのは、BG無洗米コンソーシアムの代表者のひとりでもあり、実際レッスンにも登壇した雜賀客員教授。「今日ご出席いただいた皆様全てが受け取った認定証です」と、感謝の気持ちを伝えました。

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