公式認定員インタビュー

第2回 : グリナズ ウカソヴァ

彼女の名前をはじめて耳にする多くの人は、耳慣れない音の響きに、どこの国の名前なのか? と、きっと疑問を持つのではないでしょうか。彼女が生まれ、育ったのは、カザフスタン。しかし真のコスモポリタンである彼女は、海外での豊富な経験を通じて、今や話せる言語は、カザフスタン語、ロシア語、英語、日本語、フランス語、トルコ語と、全部で6ヶ国語にものぼるのです。そんな才女がギネス世界記録の認定員として向ける眼差しは、どのようなものなのか? 彼女の胸の内を聞いてみました。



Q. いつもどんな気持ちで、ギネス世界記録の認定に向き合っているのでしょうか?

A. 一番大切にしているのは、全ての記録挑戦を客観的かつ冷静に審査することです。これと同時に、全ての記録挑戦が、必ずしも記録達成になるわけではありませんので、挑戦者、参加者、主催者には、「挑戦すること」自体の楽しさを伝えられるように心掛けています。

Q. ギネス世界記録認定の仕事をしていて、好きなところ、辛いところ、についてお教えください。

A. 認定員の仕事で好きなところは各記録挑戦がユニークで、記録タイトルが異なれば、ふたつとして同じ記録挑戦にならないという点です。また、実際の記録挑戦に立ち会うときに、挑戦者や参加者に直にお会いできる点も好きなところです。


これに対して、認定員の仕事として厳しさを感じているのは、春夏秋冬の過酷な天候の中での記録挑戦を見守らなければならないことです。夏は暑さのなか、冬は寒さのなか、もちろん雨であっても雪であっても、その挑戦が屋外での長時間の挑戦であっても、私たち公式認定員は、記録挑戦を見守る義務があります。そこには、やはり難しさを感じることがあります。 

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Q. ご自身が好きな記録には、どんな記録がありますか?

A. 基本的に全ての記録に対して、敬意を持っていることを前提にお話するなら、私は、ウサギが大好きなので、ギネス世界記録でも、ウサギに関する記録はどれも好きです。最も長い耳のウサギ、最も大きなウサギ、ウサギによる最も遠くに跳んだ距離など、ウサギの世界記録を見るとウキウキしてしまいます。

Q. では、ご自身が実際に認定した記録においては、どんな印象的なものはありましたか?

A. 普段、あまり行けないところへ行ったり、あまり見ることができないものを見られたり、日常生活では絶対にありえない経験ができることは、認定員という仕事のユニークさだと思います。例えば、「Longest Line Of Skiers (最も長いスキーヤーの列)」という記録挑戦のときは、面白い体験をしました。


この記録は、290人のスキーヤーが一列になって同時に滑走する記録です。私は、その様子をスノーモービルに乗って併走しながら確認作業を行いました。また、「最大のXXXのモザイク」や、「最大のXXXのディスプレー」などの記録挑戦においては、高所作業車に乗って認定をすることがあります。そのときの高い所からの光景というのは、なかなか見応えのものなのですよ。


そのなかでも、忘れらなかったのは、「Largest display of solar-powered LEDs」(最大のソーラーLEDディスプレイ)」で見た光景でした。これは、とても言葉では言い表せないほどの綺麗さでしたね。それから、深夜、来場者が誰もいないシーンとしたユニバーサル・スタジオ・ジャパンでの審査作業などもありました。 


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Q. 少し仕事とは離れた質問もさせていただきたいのですが、普段は、どんなものに囲まれて過ごしているのですか? 趣味や好きなものなど、教えてください。


A. 私が好きなのは、海外旅行をすること、それから読書、映画を観ること、そして、映画のサウンドトラックを聴くことです。もちろん、お気に入もありますよ。思いつくところでは、本ならイギリスの作家、デイビッド・ミッチェルが書いた『The Bone Clocks』、映画ならウェス・アンダーソン監督の『天才マックスの世界』、『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』でしょうか。


あと食べることも大好きです。でも、私は、基本的には、ベジタリアンなので、肉は口にしません。好きなのは、ブリニというロシア料理で、これはカッテージチーズやジャムをかけて食べると最高に美味しいです。

 

Q. 最後に、ひとつ。ときどき読者である子供たちからは、「ギネス世界記録の公式認定員になりたい」と言っていただくこともあります。彼らにアドバイスをするとしたら、どんな言葉を贈りますか?

A. 記録挑戦に関するガイドラインはすべて英語で発行されていますし、ギネス世界記録の社員は皆、色々な国の出身者なので、認定員としては必須である項目は英語です。認定員になりたいという夢を持つ人はまず英語を勉強してください。


そして、特別なトレーニングを受けている認定員たちは、元々、様々な経験・知識を備えた人たちばかりです。認定員を目指すのであれば、何か自分の得意な分野を持つといいかもしれませんね。


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