公式認定員インタビュー

第4回 : 小池真理子

世界一への挑戦に対して、公式認定員がどんな目線を送っているのかは、きっと挑戦する側はとても気になるはず。公式認定員である小池真理子は「挑戦することの価値」について、彼女ならではの言葉で語っています。世界への挑戦、彼女にとって、どんな意味を持つのでしょうか。 



まず最初に、ギネス世界記録の公式認定員には、どのような人がなれるのかについて、教えていただいて良いですか?

ギネスワールドレコーズでは、世界中からあらゆる分野にまたがって、年間約4万件の記録への申請を受け付けています。そして、本社があるのはイギリスのロンドンです。相手は世界。ですから、英語でこなさなければならない仕事は多く、かなり高い英語力が求められます。それから、ひとりであらゆる場所に行って、いろんな人たちと接する機会が多いため、独立精神が高く、機動力があって、柔軟なコミュニケーション能力があって、公平な精神がなければなりません。

そして、テレビカメラや記者を含めた大勢のオーディエンスの前で結果発表や認定証授与を行うのは日常のことになるので、物おじしない気持ちと高いプレゼンテーション能力も問われます。もちろん、誰でもなれるわけではありませんが、逆に言えば、国家資格のようなものが必要だというわけではないので、努力をする人なら、誰にでもチャンスがないわけではありません。 

小池さん自身は、普段の認定員としては、どんなことを意識して活動しているのでしょうか?

常に正確に、平等に、そして厳密に挑戦に立ち会うことを心がけていますね。でも同時に、私は分かち合う心もとても大切だと感じています。 皆さんの熱意、緊張感、そして記録を達成したときの喜び、そうしたことには、いつも心を寄せることを忘れずに認定に挑みたいと思っています。 

認定員の仕事で楽しいと思うことには、どんなことがありますか?

認定員としての楽しみは、いつも新しい出会いがあることです。チャレンジ精神を持ったあらゆる人に出会うことができますからね。そんな人たちに触れると、自分自身の人生も、大きく影響を受けて、活性化されていくように感じるのです。 それに加えて、最大の打ち上げ花火の玉や、最も長いロールケーキなど、普段ではお目にかかれないような世界一の誕生を生で経験できることは公式認定員としての特権だと思っています。 
 
mariko_b

確かに非日常を体感することができるのは、ギネス世界記録の認定に携わるプロフェッショナルならではの特権かもしれませんね。

それだけ聞くと、皆さん、認定員の仕事は夢のような仕事だと思うかもしれません。でも、もちろん辛いことや苦しいこともあるのです。一番つらいのは、一生懸命に努力を重ねてこられた挑戦者の方々が記録を達成できなかったときです。 そんな彼らに悪いニュースを伝えるのも認定員の役割なのです。本当は心が引き裂かれる想いになっていたとしても、公正な立場を堅持して、結果を正直に伝えなければなりません。それこそが認定員のとても大切な仕事だからです。

なるほど、挑戦者の努力を知っていれば知っているほど、悪い結果を伝えるのは辛い仕事になりますね。

それでも、私がなおこの仕事を愛しているのは、「記録は達成することよりも挑戦することに意義がある」と心から信じているからなのです。挑戦には必ず結果がついてきます。 その結果が成功であれ失敗であれ、挑戦者が「信じられないほどの高みに挑む」というチャンレジ精神にこそ価値がある、私はそう思っているのです。ですから、私は、世界記録に挑戦された全ての方に、ご自身のチャレンジ精神を誇りに思っていただきたいと思うのです。

「結果よりも、高みを目指すチャレンジ精神」。ギネス世界記録をウォッチングしていると、いつもその点には感動させられますね。

私は向上心が高く、人生ハングリーに生きている人たちが大好きです。フィンランドでは「National failure day(失敗を祝う日)」という日があり、「失敗は成功のもと」というアイデアをもとに、失敗を恐れず挑戦し続けるチャレンジ精神を奨励しているんです。素敵だと想いませんか?  だから私も世界一に挑戦する皆様のチャレンジ精神には最大の敬意を示し、公正な立場から応援したいと思っているのです。 
 
mariko_a

ギネス世界記録の認定員という立場から、少し離れた質問をさせて下さい。どんな食べ物がお好きなんでしょうか?

チーズ、肉、ベリーをこよなく愛しています。 

他の認定員からは「猫が好き」という声があがっていますが、小池さんはどんな動物がお好きですか?

沢山いすぎて絞るのが難しいのですが、ミーアキャットが好きです。これは、猫じゃありませんよ。その他にも、ペンギン、アイスランド馬、アホウドリ、ツノメドリなど、好きな動物をあげはじめたら、きりがありません。 普段の認定員の仕事では、”Cutest”などの主観を混ぜた観点からの記録カテゴリー開設は禁じられていますが、こと動物になると、「そんな記録があってもいいんじゃないの?」とつい悪魔のささやきが頭に浮かんできてしまうほどです。(笑) 

では最後に、読者の人に、おすすめしたい記録というのがあったら、ひとつ教えてください。

私は、「Most claps in a minute (一分間で最も多く拍手した数)」が好きなんです。どうしてかと言うと、地味そうにみえて意外に面白いから! それに加えて、この記録は難しい!!ぜひ、日本から挑戦する人が現れて欲しいと思います。皆さん、ぜひ、この記録にチャレンジしてみてはいかがですか?