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1,000人のスイマーの心ひとつに

By SUZU
発行済み

ポーランドで12年前に達成されて以来、
長らく破られてこなかった難しいギネス世界記録に挑んだのは、
岡山県にあるスポーツクラブでした。
地域が一丸となったこの記録挑戦イベント、
どんな様子だったのか?
記録達成は遂げられたのでしょうか?


同企画が素敵なのは、
会社40周年の記念事業の一環として
催されたイベントだという点、
一企業が地域のための社会貢献をするイベントだという点です。
この催しを発案したのは、
株式会社岡山スポーツ会館という岡山県岡山市に拠を構える組織です。

「当初は雲をつかむような計画で、
 どのような手順を踏めば、
 ギネス世界記録に挑戦できるのか?
 そこから手探りの状態でした。
 それを、ギネスワールドレコーズジャパンの
 スタッフの協力を得ることで、
 ギネスガイドラインについて解釈をしていき、、
 挑戦方法の詳細を決めることができたのは良かったですね。」(本記録挑戦の担当オーガナイザー)

記録達成のためには、下準備と念入りな打合せが欠かせません。


会場に溢れる熱気

彼らが主宰するOSKスポーツクラブに、
2012年9月29日、1,000人のスイマーが集まりました。
ここに参加した1,000人の中には、実に幅広い年齢の人々がいます。
小学校低学年の小さな子もいれば、
御年80歳を超える鉄人泳者も混じっています。
ギネス世界記録公式認定員として、
当挑戦に立ち会ったアヤ・マクミランとグリナズ・ウカソヴァは、
現場に足を入れた瞬間に、
凄まじい熱気、力強いやる気を感じたそうです。
それは、ひとりひとりの胸のうちから溢れ出てくるような
「自己ベストを出そう」「記録を達成しよう」
という想いだったのでしょうか。



地響きのような声援が支配する会場

長い長い時間が流れ、
ラスト・スイマーとなる少年がスタートしてからは、
プール全体を包み込んだのは、地響きのような声援でした。
1,000人もの参加者の心にあった
「世界一の記録を達成するのだ」という想いが、
これほどまでに美しくハーモニーを醸すことも
人生において滅多にあるものではないでしょう。
少年がプール端の壁面を力強くタッチすると、
割れんばかりの拍手と歓声が会場を支配しました。
大勢の参加者、観客、関係者が固唾を飲み、
耳を傾けた記録は、10時間24分38.19秒。
そう、12年前の記録、12時間11分3.47秒を
1時間半以上も早める大記録を打ち立てたのです。

「"ギネス世界記録"を目指すということを思いつき、
自らの業域であるスイミングの分野で挑戦させていただきました。
ひとつの記録に挑む中で、運営スタッフとの絆、
そして大勢の参加者との絆がより強固になっていくのを
目の当たりにすることができました」(本記録挑戦の担当オーガナイザー)。

世界一を達成することももちろん大事なのでしょうが、
何と言っても、心を合わせることの素晴らしさを、
参加者全員が、そして公式認定員までもが体感した瞬間だったのです。