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1039 人が横一列に歩く

By guinnessworldrecordsnews
発行済み

2013年3月24日、 福岡県朝倉市において、
「最大の多人多脚(Most participants in a multi-legged walk)」
という記録への挑戦が行われました。

この記録は、二人三脚の要領で参加者全員の足を結び、
横一列に並んだ状態で50メートルを歩き切るというものです。
もちろん、転んでしまったり、手をついてしまったり、
足を結ぶものがほどけてしまっては失格です。
とてもシンプルな競技ながら、かなりの集中力が必要とされる挑戦です。



今回、同記録の主催者は「(0946)Gチャレンジャーズ」、
「0946」という数字は朝倉市郡の電話市外局番です。
彼がこのギネス世界記録を挑戦することになったのには、
3つの目的がありました。
1つ目は「市郡」の結束を強めるため、2つ目は「地域活性化」、
そして3つ目が「 逃げタオル運動の促進」というものでした。

ちなみに、1つ目、2つ目に関しては、
だいたいの想像はつきますが、
3つ目の目的には疑問符が残ります。
「逃げタオル運動の促進」とは、何でしょうか? 
実はこれ、聞いてみると、とてもユニークな運動なのです。
簡単に説明すると、大震災のような大規模災害が起こった場合、
消防隊や消防団員などは、避難しているかどうかの安否確認を行います。

しかし、既に避難している家のポストに避難者が「タオル」を掛けようにしておけば、
「私の家は大丈夫だから、
よそを捜索してください!」という合図にすることができます。
そうすると、助かる人も増えるかもしれないし、
安否確認をする人にとっては緊急時、貴重な時間、
手間を大幅に省けることになります。
これを「逃げタオル運動」と命名して、
世界へと広げていこう、というのが彼らの狙いです。
今回の記録挑戦で挑戦者の足を結ぶのに使われたのも、
タオルでした。

この記録が前回達成されたのは、
2012年6月の台湾でした。その記録は、「602人603脚」です。



この数字を抜けば、ギネス世界記録の達成になるわけですね。
主催者である「(0946)Gチャレンジャーズ」が目指していたのは、
その数字にちなんだ「946人」でした。
さて、ここに参加した人たちは、
市内外で呼びかけられた小学5年生から80代のお爺ちゃん、
お婆ちゃんまで、まさに老若男女の面々。

Facebookでの呼びかけが大きな呼び水となったようで、
その集まってきた数はというと、
予想を超える1,039人という大人数になりました。
しかし大変なのは、ここからです。
逆の見方をしたなら、人数が大きくなればなるほど、
記録達成の難度はあがるわけですからね。

1000人を超える人たちが一列に並ぶと、その様子は圧巻の光景です。
挑戦がスタートすると、挑戦者たちは「赤! 白! 赤! 白!」と声を合わせながら、
ゆっくりと、まさしく一歩一歩、前に進んでいきます。
かなりの緊迫感が会場全体を支配しています。
そして、誰ひとりとして、転ぶことなく、遂にゴールです。



公式認定員のアヤ・マクミランから「認定」という言葉を聞いた瞬間、
主催者は涙しながら喜びのコメントを大声で参加者に伝えたのでした。
それぞれ参加者も、ガッツポーズしたり、
飛び跳ねたり、タオルを宙に投げたり、
大変な盛り上がりを見せたのです。
ギネス世界記録への認定、おめでとうございます!