書籍「ギネス世界記録2020」には、驚きの技を持つ数多くのペットたちが紹介されています。ペットと言えば犬や猫を思い浮かべますが、書籍で紹介されているペットはわんこやにゃんこだけではありません。
例えばアメリカ、アイオワ州に住む豚のジョイちゃんは、2018年1月16日に幅広いトリックのレパートリーを存分に披露し、ギネス世界記録タイトル「1分間で豚が行ったトリックの最多数|most tricks by a pig in one minute」(13種類)に認定されました。
挑戦時にジョイちゃんは、定番のお座りから、トイピアノの演奏と言った高度な技にも成功しました。1分間で成功させた技の一覧がこちら:
ジョイちゃんはもう2つの技を披露していましたが、1つは指示が出される前に技を始めてしまったため、もう1つは制限時間外に技をしてしまったため、それらはノーカウントとなりました。
オーナーのドーン・ブリーカーさんによると、多くの人はトリックを見て豚の賢さに驚くそうです。「うちの犬はそんな事できない!と言う人が多いです。」
トレーニングの方法は、はじめは犬などと変わりがなかったとか。「室内のペットを飼った事がなかったので、子犬のトレーナーを呼びました。3回のトレーニングを経ると、トレーナーはジョイののみこみの早さに感心していたわ。ほめてあげてご褒美をあげて成功をジョイに伝えると、しっぽを振って目がキラキラ輝やいて喜んでくれるんです。あまりにもトリックが好きだから、新しいのをどんどん教えていきました。」
ジョイちゃんが覚えたトリックの中には、習得が難しかったものもあったとか。特に輪投げの棒から輪っかを取ったり戻したりするトリックは苦戦したそうで、噛みすぎて牙が輪っかに挟まらないようにやさしくくわえるように教えたそうです。
ジョイちゃんは地元のニュートンではかなりの人気者。しかしそこまでの道のりは平たんではなかったそうです。
子豚を自宅で飼おうと考えていた2011年、ニュートンの条例では豚を「危険」とみなされ、ペットとして飼う事を禁止している事を、ブリーカー家は知ります。
それでもブリーカー家は諦めず、研究文献を集めたり、地域住民の署名を求めたりしてミニチュアの豚を条例の対象外にしようと試みました。しかし一回目の嘆願は、市役所によって却下されました。
ブリーカー家はその後もう一度市役所に嘆願すると、今度は訴えを認められ、ついにジョイちゃんを迎え入れる事ができるようになりました。
ジョイちゃんが地域で愛されるようになった理由は、破産寸前の映画館にありました。ニュートンのダウンタウン・エリアがデッドタウンのようになる事を防ぐため、映画館にパートタイムで働いていたドーンさんは、ジョイちゃんが生後6か月ごろにその映画館を引き継ぐ事を決意しました。ジョイちゃんはその映画館のマスコット的存在となったのです。
映画館「Capitol II Theatre」の外には時々、トリックを見せるためにジョイちゃんが出迎えてくれます。映画館にはジョイちゃん専用の衣裳部屋も用意されています。
ドーンさんは「(ニュートンから40 kmに位置する)アルトゥーナには新しい映画館があるけど、私たちにはジョイという特別な存在があります。」
「お客さんもジョイに会うと喜んでくれるし、その様子を見ると私もつい微笑んでしまいます。ほんの数分間だったとしても、ジョイはお客さんの気分を上ていると思っています。」
ニュートンの住民、キャリー・ケネディーさんも、個性的なマスコットの魅力を語りました。「子どもから大人までジョイちゃんを知っています。映画館に来る観客もいますが、ジョイちゃんに会うためだけに立ち寄る人もいます。」
書籍「ギネス世界記録2020」には、ジョイちゃん以外にもあらゆるペットや動物の記録が収録されています。ぜひチェックしてみてください!