記録管理部、銀食器の地へ

燕市と三条市で、ギネス世界記録への挑戦が行われました。ときは2012年11月10日、場所は燕三条駅。この土地の名前を聞いて、多くの人はあることを思い出すかもしれません。 燕三条と言えば、銀食器の産地として名高く知られる土地です。特に、その磨きの技術は高く、あのスティーブ・ジョブス氏さえ深く唸らせ、iPODの鏡面は、この地の技術が採用されたという事実は多くの人が耳にしたことがあるのではないでしょうか。

挑戦する記録名は、「最も長い乾杯リレー」

わたしたちギネスワールドレコーズの記録管理部・公式認定員が、足を運んだのは、そんな土地でした。今回、記録を申請したのは 燕三条青年会議所。挑戦した記録は、「最も長い乾杯リレー(The Longest toast relay)」です。今回は、銀食器にまつわる記録挑戦ではなく、乾杯リレーの記録への挑戦です。「実は、燕市と三条市の青年会議所が15年前に合併したのです。それを記念して、"世界一の乾杯"ができたら、素晴らしいと考えて、今回の挑戦になりました」(燕三条青年会議所)。

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地域団結の証

地域団体の結束の証としてのギネス世界記録挑戦、こうした地域興しのためにギネス世界記録を活用いただけるのは、記録の番人である私たちとしても嬉しいものです。ただし、一個人としては、どんなに応援したい記録であっても、私たちは、「厳正なる公式認定員」がいて、「ガイドライン」があり、その点に何よりもの重きを置きます。今回の場合だと、ルールは要約すると次の通りです。「参加者が列になって、立ったまま飲み物が入っているカップを持ちながらリレーの順番が回ってくるのを待つ。順番が回ってきたら隣の人と乾杯し、飲み物を一口飲み、次の人と乾杯する。皆が同じ飲み物を、飲まなければならない」。

886人による世界一の乾杯

さて、この挑戦のこれまでの記録は、487人でした。この記録を破るべく、現地に駆けつけた人々の年齢層は幅広く、9歳から73歳まで。飲まれたものは、現地生産の野菜と果物を使ってつくった新鮮な野菜ジュース。原材料は梨、葡萄、トマト、キャベツ、さつま芋、レモン果汁、寒天。栄養もたっぷりありそうな、健康的な地域ならではの飲み物です。ちなみに記録挑戦に使われたカップは、燕市でつくられたステンレス製のエコカップでした。さて、人数の集計が終わりました。公式認定員が発表した数字は、「886人!」です。おめでとうございます。これまでの記録を約400人も上回った計算になります。こうして結束の証としての、ギネス世界記録は、見事に達成されることになったのでした。簡単そう? いや、世界記録というのは、一見、簡単そうにみえても、実に大変な準備と心づもりが必要となることをお忘れなく。是非、次は、銀食器での記録挑戦も行なってもらいたいですね。(と言っても、記録申請の審査自体が厳しいので、審査通過から頭をひねってもらわないといけないのですが…。)

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