世界で一番大きな巨大なマーカーペンがあるとしたら、そのサイズはいくつだと思いますか? 日本国民に「マッキー」という愛称で知られる油性ペンを製造するゼブラが、「世界一」の称号を目指し、ギネス世界記録に挑戦しました。社が一丸となって取り組んだプロジェクト、どんな記録挑戦だったのでしょう?

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ゼブラ株式会社は、日本ではよく知られた文具メーカーです。同社が挑んだ記録タイトルは「最も大きなマーカーペン|Largest marker pen」というものでした。創業120周年を記念しての世界記録挑戦でした。

同挑戦に際して、ゼブラは「どなたにも使われる身近な筆記具にさらに親しんで頂きたいという想い」「メーカーとして世界一を目指すための新たな挑戦」をテーマに据えました。

世界最大のマーカーペンをつくるためには、従来の『ハイマッキー』の10倍以上のサイズのものを製作する必要がありました。ガイドラインに記載された条件としては、「既存のマーカーペンが同比率で大きくなっていること」に加え、「既存のマーカーペンの10倍以上のペンとして書くことができる」というのが条件でした。

公式認定員の石川佳織が測定した結果、全長168.4cm、直径25.6cmというサイズ、書けることが確認され、見事ギネス世界記録認定となったのでした。 


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しかしこれをつくるのには、一筋縄ではいかぬ努力が必要でした。その苦労を、マーカー担当研究員である山口真弓さんが次のように生の声を残してくれています。

「独特の傾斜を持つ形状や小さなロゴの刻印まで正確に再現しました。」

今回の記録で完成したビッグマッキーに浮かぶ精緻な雰囲気は、製作チームの努力の結晶なのかもしれません。当然、その製作の道のりは、簡単ではなかったそうです。一番の困難だったのは、以下のようなところだったそうです。

「『ハイマッキ-』のアイデンティティである、太細両方のペン先で書けることを12倍サイズで実現する点で、形が違う両方のペン先を手で切ったり削り出したりして製作しました。」 


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また、勝手が違う巨大ペンにおいては、その扱いにおいても想像を超えたことがあったのだといいます。

「市販品だと、中綿にインクを染み込ませるのに工場の自動組み立て機を利用すればすぐに出来てしまいます。しかし、〝ビッグマッキー〟は、研究員3人が手でチューブを押して1時間かけてインクを注入する必要がありました。設計してから実際に書けものになるまで、その製作期間は3ヶ月かかっています」 


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言うまでもなく、企業がこうした記録に挑戦するには、やはり相当な覚悟と努力が必要になります。同社が条件をクリアするために払った労力は、相当のものであり、それを乗り越えてのギネス世界記録認定は、ユーザーも社員も喜ぶ、本当に素敵な挑戦だったと思います。 


ちなみに2017年9月26日にゼブラ本社で催された同記録認定証授与式では、女子レスリングの吉田沙保里選手が登場、「私より大きい!」と驚きを口にしながら、サインを書くパフォーマンスも披露してくれました。これは、本人も複数のギネス世界記録ホルダーであるので、ジャンルを超えたコラボレーションとも言えそうですね。

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公式認定員の石川から認定証を渡されたゼブラ石川真一社長も、満面の笑みを浮かべてくれました。

メーカーとしての世界一への挑戦が、実を結んでよかったですね。ギネス世界記録、認定おめでとうございます。 [ 編集部 ]

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