書籍「ギネス世界記録2019」が全世界でリリースされました。今年も驚くべき記録が数多く紹介されていて、気になる記録の数字や豆知識がたくさん載っています。

今年の書籍の特徴は、従来の記録紹介に加え、認定されるまでの裏話に迫り、記録保持者の想いや努力にスポットライトを当てました。

大きな夢を持つことはできても、ギネス世界記録の本に載るにはどうすればいいのでしょうか?書籍「ギネス世界記録2019」にフィーチャーされた記録保持者たちの功績から、それを探ってみましょう。

岩室純子さん(a.k.a. Sumirock)

SumiRock - Oldest DJ

もし年齢が83歳118日だったら、ほとんどの人は「パーティーする年齢ではない」と思うのではないでしょうか。

しかし、日本の岩室純子さん(a.k.a Sumirock)は、夜中にわたってターンテーブルの前に立つ現役のDJ。ギネス世界記録タイトル「最高齢のプロフェッショナルクラブDJ|Oldest professional club DJ」に認定されました。

岩室さんは普段、自身が営む中華レストランで料理をしていますが、月に1,2回、調理場を離れ、新宿のDecabar Zをはじめ国内外のクラブでDJをするのです。

クックさんからDJへの"転向"は簡単なものではなく、77歳のころにDJの学校に通うことから始めました。

「諦めないで、何かやってみる」という想いを貫き、DJのキャリアをスタートすることができたのです。

マット・デントンさん

Mantis - Largest Rideable Hexapod

マット・デントンさんに認定された記録タイトルは「最大の乗ることができるヘキサポッド|Largest rideable hexapod robot」。その大きさは 2.8m x 5m で、重さは約2トンもあります。

エンジニアのマットさんは幼少期、スターウォーズのAT-ATsに興味を持ち、それ以来歩くマシンへの愛情が止まることはありませんでした。

また、子どものころにやっていたレゴ® も、彼をクリエイティブにさせたと言います。「子どものころにやったレゴのセットは、想像力を沸き立ててくれたよ。あれがなければ、いまの僕はいないと思う。」

歩行可能なマシンを20台ほど作り、それをオンラインで公開するとかなりの反響が。話題は大きく広がり、なんと彼のマシンがハリー・ポッターの映画に登場するほどの人気となりました。

それらで得た資金をもとに、マットさんはいままでで最大のモデル「Mantis」(マンティス)に取り組むことに。これでギネス世界記録を達成したのです。


その後マットさんは、「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」の製作スタッフに選ばれ、彼が施したBB8ロボットは賞をとるなど大きく評価されました。

「子どものころにもし誰かが『大きくなったら映画製作に携わって、巨大な歩行マシンを作っている』と言われても絶対信じなかったはずです。そしてギネス世界記録に載るのはとても嬉しいこと。このタイトルを持てるのは最高です。」


ベティー・ゴードハートさん

Betty Goedhart - Oldest Trapeze Artist

元プロアイススケーターのベティ・ゴードハートさんは、挑戦を避けようとすることはありません。

若いころから活発的だったベティーさんは若いころ、サーカスで見た空中ブランコに魅了されたそうです。

しかし彼女が始めて空中ブランコを試したのは78歳のとき。ベティーさんはそのチャンスをしっかりつかみ、ブランコのバーを両手で握り締めました。

そして84歳249日で、「空中ブランコアーティストの最高齢女性|Oldest performing flying trapeze artist (female)」に認定されました。

「この記録をとれたのは自分にとってかけがえのないことです。ここまでこれたのにびっくりしています。できなさそうなことができると、楽しいですよね!」


フェザーとジェロニモ

Feather - left, Geronimo - right

フェザーとジェロニモは、とても特別な女性と住む、特別なわんこたちです。

アメリカに住むサマンサ・ベールさんは、保護された犬のネガティブなイメージを払拭しようと、それぞれの犬の良さを見つけ、トレーニングをし、そして何よりも可愛がって育てています。

「保護された犬について、勘違いしている人がたくさんいると思います。それでも私は、かつては捨てられてしまった動物たちを立派に育てるのが楽しいのです。」

サマンサさんのこの情熱が、フェザーとジェロニモによる2つのギネス世界記録タイトル達成に至ったのです。


2歳のグレイハウンド、フェザーが達成した記録は「犬による最も高いジャンプ|Highest jump by a dog」。なんと、191.7 cm という高さを軽快に跳んだのです!

一方で、ボーダーコリーとケルピーの混血、2歳のジェロニモも大のジャンプ好きで、「1分間で犬がダブルダッチをした数| Most double dutch-style skips by a dog in one minute」を113回で達成しています。

わんこたちの功績について誇りに思うと語るサマンサさん。「ギネス世界記録の本を開けて、自分らの名前を見るのは不思議な気分ですが、それをやってのけた。もう最高です。」

トム・バグナールさん

Tom Bagnall - Fastest Jet Powered Go Kart

イギリスのトムさんは、ギネス世界記録「ジェット式ゴーカートで出した最も速いスピード|Fastest speed in a jet-propelled go-kart」の記録保持者。なんと、180.72 km/h という驚異的な速度を記録しています。

「子どものころから、ものづくりやエンジニアリングに興味を持っていて、昔からクレイジーなものを作り続けてきました。とにかくスピードに虜なんです。」


記録達成までの道のりは容易なものではありませんでしたが、トムさんが持っていた夢が後押しをしてくれたそうです。

「誰にも言いたい。100%で挑んで、夢をかなえられるようにやれることをやろうと。夢を大きく抱いているんだったら、それに向かって走るべきです。」

バリー・ジョン・クロウさん

Barry John Crowe - Most Sausages Made In A Minute

バリー・ジョン・クロウさんが保持しているギネス世界記録タイトルは「1分間で作ったソーセージの本数| Most sausages produced in one minute」。

アイルランドで、お父さんの持つ創業43年のショップで、10歳のころからソーセージを作り続けてきた彼は、13歳からソーセージ作りのスキルで賞を数多く受賞しています。それだけではなく、チェダーチーズやチリフレークなど、ソーセージの新フレーバーを発案してきました。

ギネス世界記録への挑戦は、前回の記録が60本と知り、それを超えられると思ったから。実際タイマーを出して計ってみたら、1分間で78本のソーセージを作ることができました。

「私はみんなに『やってみよう』と言います。ギネス世界記録を更新できると思うなら、やってみるべきです。」

エリザベス・ボンドさん

Betsy Bond - Largest Knitting Needles

「ベッツィー」のあだ名でも知られるイギリスのエリザベス・ボンドさんは美大生。彼女が保持する記録は「最も大きな編み針|Largest knitting needles」で、その長さはなんと 4.42 m もあります。

彼女はお母さんがDYIで作った工芸やアートに魅了され、若いころから作品を作るのが大好きでした。

「ずっとクリエイティブなことをする好奇心がありました。トイレットペーパーの芯や使い終わった洗剤ボトルで何かを作ってみることを促したお母さんが影響しているんだと思います。」


彼女が作った編み針は、美大最後のプロジェクトの一作品としても使用されました。

「誰にだって可能性は秘めています。何かできると心の底から信じていれば、それを止められるものは何もありません。前を向いて進んでみてください。失うものはきっと何もないのだから。」

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世界で最も読まれている記録の書籍が今年もやってきました!「最高齢のプロフェッショナルクラブDJ」のSumirockさんはもちろん、地球を離れた宇宙彼方で達成した記録から、自然界の世界一、スポーツ界のレジェンド、ハンドスピナーまで、世界初公開となる写真や、思わず友達とシェアしたくなる知識がてんこ盛り。世界のいまが網羅された「ギネス世界記録2019」を開けば、きっと目が離せなくなるはずです。詳しくはこちら

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