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2018年6月9日、4,300人以上の中高生たちがあるイベントに参加するため、東京・立川市の国営昭和記念公園に集まった。

「ポカリガチダンスFES」で、学生たちに与えられたミッションは、ポカリスエットのブランドCM撮影のために、一斉にダンスを踊りきること。このチャレンジに成功すれば、ギネス世界記録「TVコマーシャル向けに同時に踊った最多人数|Most people dancing simultaneously for a TV commercial (free-to-air)」にも認定されるのだ。

ポカリスエットは、2016年からダンスをテーマとしたコマーシャルなどを制作し続けてきたが、「ガチダンスFES」では、より壮大な規模で行われた。その理由を、大塚製薬株式会社 宣伝部 課長の上野隆信氏に聞いた。

「毎年、中高生のみなさんからも「ダンスイベントを実施して欲しい」という声を頂く中、2018年の「ガチダンスFESイベント」は、これまでにない規模感でより多くの中高生たちと『一生涯忘れられない体験を作りたい』という思いと、ぜひ世界一を目指したいという思いから、ギネス世界記録の挑戦を決めました」

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挑戦の舞台となった国営昭和記念公園「みんなの原っぱ」のメインステージには、ポカリスエットの巨大モニュメントが設置された。近くで見ると、複数の絵画からなるモザイクアートで、多くの学生がそのアート作成に参加した。

梅雨の合間の蒸し暑い日が照り渡る中、生徒たちはグループに分かれ振り付けの確認を行った。多くの生徒は、難易度の高いダンスにもかかわらず問題なく踊ることができていたと、上野氏は振り返る。

「約4000人規模での合同練習はイベント当日が初めてだったこと、そしてギネス世界記録の挑戦は3回までと制限があるため、ダンスを間違えずキレイにそろえて踊りながらギネス世界記録を達成するのは大変なことだと思いました。しかし、みなさんが事前に練習をよく頑張ってきてくれたこと、当日も練習から少しも手を抜くことなく、最後の撮影本番まで力を振り絞ってくれたことで、記録を達成することができたのだと思います」

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4,000人以上のダンスを審査するため、現場には数多くのカメラやチェックモニターが設置された。厳密な審査体制に現場に緊張が走った。しかしこの緊張感こそが、本番のダンスの一体感を生んだと、上野氏は言う。

イベントの冒頭で司会者から参加してくれた中高生には「ギネス世界記録を達成して、伝説の一日を作ろう!」と伝えていました。イベントとしてみんなで楽しく踊るだけではなく、ギネス世界記録という大きな目標があったからこそ、より強い一体感が生まれたと思います。

ギネス世界記録に認定されるには、ひとつの会場に集まった参加者が、振り付けをされ、シンクロされたダンスを最低1分間踊る必要があった。審査の結果、3,770人のダンスが有効と認められ、学生たちの世界一へのチャレンジは見事成功となった。

上野氏によると、結果を聞いた参加者たちは大いに喜び、友達同士で抱き合う子もいれば、感動して涙する子もいたと言う。

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学生たちの青春を記録した「ガチダンスFES」の模様は、同年の7月6日にCMとして放映がスタート。そのオンエアをもって、ギネス世界記録として正式に認定された。