1年に1回訪れる誕生日。できるだけ特別な日になるようにと願う人も少なくないはず。

しかしハワイにいるポール・モーガンさんは、ちょっと違ったことを思いつきました。「特別な誕生日を、持続できないだろうか?」

この発想をもとに、「最も長い誕生日|Longest birthday.」というギネス世界記録タイトルに挑戦することにしたのです。

何度も飛行機に乗り換え、あらゆる国の時間帯を利用した結果、ポールさんは自身の誕生日を48時間にすることに成功しました。

Longest birthday 5

子どもの頃から、ギネス世界記録やそのタイトル保持者に魅了され続けてきました。小学校の頃、新しいギネス世界記録の本が図書館に入ってきたら、すぐ友達と一緒に本の前に駆けつけて、中身をじっくり確認していたくらいです。

当時は読書好きでもなんでもなかったのですが、あの本だけは特別でした。「いつか世界記録を達成して、本に載れたら」と夢を抱いていましたが、本当にそれができるとは思っていませんでした。

叶わないと思っていたギネス世界記録の夢が現実味を帯びてきたのは、ポールさんがニュージーランドに1か月過ごした後のことでした。彼がオークランドで飛行機に搭乗した時間は木曜日の夜7時。そして故郷のコロラドに到着したのも、木曜日の夜7時だったのです。

そこで彼は思いました。「同じ日にちを、何時間過ごすことができるのだろう?」

詳しく調べてみると、2014年に達成された「最も長い誕生日|Longest birthday.」というギネス世界記録タイトルを発見します。スヴェン・ヘグマイアーさんが残した記録は、46時間でした。ポールさんは、その記録を破ってみようと考えました。

クレイジーなアイディアを持っても、それを実現するのはまた別の話です。友達の半数には「おかしい」と言われ、残りの半数には「クレイジー」だと言われましたが、思いとどまることはありませんでした。記録保持者になるのはずっと夢だったので、チャンスがあるならやってみたかったのです。

挑戦の開始地点、サモアでの1枚

ポールさんの挑戦はかなり野心的なものでした。しかし世界各国を旅してきた経験を活かし、計画を立て始めました。最も難しいのは、旅行中は一度も日にちをまたがないようにスケジュールを組まなければいけないこと。結果、サモアからオークランド、ロサンゼルス、カウアイ、そしてハワイに行く旅程が完成しました。

Longest birthday 2

しかし彼の計画は一時、失敗寸前だったのです。「一番危なかったのは、オークランドからロサンゼルスへ移動していた時です。このフライトで重要だったのは、国際日付変更線を、両方のタイムゾーンが同じ日のタイミングでまたぐことで、それは1時間しかありません。そして実際横断した時間がギリギリで、あと1分5秒早かったら、挑戦は水の泡となっていました。」

オークランド空港にて

挑戦中のほとんどは、狭い飛行機のなかで過ごしていましたが、2日間の誕生日を達成しハワイに降り立った時の達成感はとてつもないものだったそうです。見事挑戦をやり遂げたポールさんは、ハワイのビーチで1日を過ごしました。

見事挑戦を完了した直後

来年の誕生日はどうするかと聞かれると、ポールさんはこのように答えました。「友達と家族と過ごす、通常の24時間の誕生日ですね。飛行機に乗ったり、空港にちょっとでも近いところはごめんだよ!」

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