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アニメ『サザエさん』でフグ田サザエ役を務める声優の加藤みどりさんが、ギネス世界記録に認定されました。

記録タイトルは「テレビアニメシリーズにおいて同じ役を演じた最長期間|Longest career as a voice actor for the same character of an animated TV series」。放送開始から50年もの間、フグ田タラオ役の貴家堂子さんと共に役を演じ続けてきました。

2019年11月17日に開催された"『サザエさんウィーク』発表会"において、加藤みどりさんに公式認定証を贈呈しました。

アニメ『サザエさん』は1969年10月5日に放送がスタート。高度成長期から日本で様々な変化を経た今なお、幅広い世代から愛され続けています。作品自体も「最も長く放映されているテレビアニメ番組|Longest running animated TV series」としてギネス世界記録に認定されており、まさに国民的アニメです。

ギネスワールドレコーズは、今回記録保持者となった加藤みどりさんにインタビューを行い、認定についての感想や、サザエさんと歩んできた50年について伺いました。

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――フグ田サザエを演じた50年をどう振り返りますか?
大変でした。私は一番年下で入ったんですよ。当時芸能界に入ったばかりで、適当な事しかしてなかったのに、そうそうたる声優陣に囲まれてビビりましたよね。そして毎回6月と12月になるとプロデューサーに呼ばれて「あなたの何月何日の回ではこうでしたね」と叱られていました。徹底的にサザエさんという役をプロデューサーが叩き込んだんですね。

ただ、本当に1クールしか続かないと思うから、素直に従ってきました。そしたら「この次も続くよ」と言われ、翌年も「続くよ」と言われ、そのうち2年も3年もやるようになってて、それも言われなくなった。やっぱり毎年呼ばれて、毎回叱られました。

いつ辞めてもいいんだなって気持ちもあったけど、辞めるほどの事ではないなと思うんですよね。だって私個人の話じゃないんですよ。サザエさんについての事だから。そして叱られる代わりに結果が出るから。結果が出た時に初めて「そうか」と思いましたね。

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――そんな大変な事を50年続けてこれたのはなぜですか?
番組が続いたからです。そして番組の続き方が良かったからです。プロデューサーが変わった時でもフジテレビのプロデューサーさんが来て、今まで通りにやってくださいと言ってくれたんです。そこがすごいと思います。放送時間も50年間ずっと夕方6時半ですよ!そして毎回月曜日にエイケンさんと打ち合わせをして、出来上がったものをちゃんと確認してオンエアしている。局のプロデューサーでそんな事をするのはあまりいないと思います。

それからエイケンさんが、どんな事があっても木曜日の朝の10時までにピタッと画を作ってくれる。決して手を抜かない。そこだと思うんですね。作品を毎週毎週作るっていうのはすごく大変だと思いますね。

だから多分フジテレビの今までのプロデューサーとか、エイケンさんとかが、(今回の認定を)とても喜んでくれると思います。これから毎日毎日(公式認定証を)眺めて、だんだん嬉しくなるんじゃないですかね。世界中で共通するもので名前が刻まれたというのは大変な事ですよね。

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――ギネス世界記録認定となりました。今の気持ちを教えてください。
認定いただいてよかったなと思います。80年のうち50年間、それもよそを見ないでそれだけをやってきた。それを人生の最後の段階で認めてもらえたというのは、後になってしみじみと感じるんじゃないかな。『サザエさん』という、皆さんに観ていただいている番組を通じて認定となった事もとても嬉しいです。明治生まれの人から大正、昭和、平成、令和と、5世代の人たち、そしてその世代の人たちに観ていただけた。そういう番組はないんですよね。観ていただいた、守っていただいたというのは視聴者の皆さんの力にあると思います。これからも観ていただけるように努力していきたいと思います。