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自然や動物のドキュメンタリーを見ると、イリエワニは非常に大きなワニとして紹介されています。確かにイリエワニは現在「最も重い爬虫類|heaviest reptiles」で、その体重は1,200 kgまで到達します。これはMINI 2台分と同等です!

一方で「最も長い爬虫類|longest reptiles」の記録を持つのはアミメニシキヘビで、長さは10 mにもおよびます。

しかし、書籍「ギネス世界記録2020」の告知動画にも登場する先史時代のワニをはじめとした爬虫類のスターたちと比べると、どれくらいの差があるのでしょうか?

ギネス世界記録の爬虫類エキスパートによると、大きなイリエワニは7 mまで成長する中、雄は平均4.9 mほどまでにしか成長しないのだとか。

現在「現在飼育されている最も大きなワニ|largest crocodile in captivity」は100歳のカシアスで、長さは5.48 m。これは卓球テーブルを縦に2つ並べた長さと同じくらいです。カシアスは1987年、オーストラリア北部で捕獲され、マリンランド・メラネシア野生動物公園へ。オーナーの(下の写真でプールに足をぶらつかせている)ジョージ・クレイグさんと一緒に暮らしています。ちなみにこの野生動物公園は、ギネス世界記録「最も長いリーフ|longest reef」、グレート・バリア・リーフのあるグリーン・アイランドに位置します。

カシアスは、モハメド・アリ出生時の名前、カシアス・クレイからとっている

歴代で「飼育されていた最も大きなワニ|largest crocodile in captivity ever」はLo long。その長さは6.17 mもあったのです!しかしLo longは残念ながら2013年に亡くなってしまいました。

イリエワニは確かに大きなワニですが、彼らの古代のご先祖様たちは、それをはるかに上回る大きさだったのです。

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サルコスクスは、最長12.2 mあったとされていて、重さは8 tにもおよんだそうです。つまりLolongの2倍の長さで、重さは7.5倍!海外で「スーパーワニ」と呼ばれるのも納得します。

すでに絶滅した動物の大きさは、アメリカの古生物学者ポール・セレノ教授がアフリカで発掘した化石をもとに計算されています。

フランス国立自然史博物館にて展示されたサルコスクスの化石

サルコスクスは1億1,200万年前の白亜紀中期に生息していた生物で、「最も大きな肉食恐竜|largest carnivorous dinosaur」のスピノサウルス(そうです。あのティラノサウルスより大きかったのです!)、「最も体高低い恐竜|Microraptor」のミクロラプトル、「最も体高が高い恐竜|Sauroposeidon」のサウロポセイドンと同時代に生息していた事になります。

ワニの系図は複雑で、サルコスクスは系図の始まりに近いCrocodyliformesに入っているため、「史上最も大きなCrocodyliform|largest crocodyliform ever」としてギネス世界記録に登録されています。

エキスパートたちは、現在のワニ目と関連する過去の生物は、イリエワニによく似ていたと考えています。ワニが何百万年も生き残ったは、そのデザインが効率的で、あらゆる環境に対応できたからなのです。