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環境汚染、温暖化……これらに立ち向かうために、リサイクルといった身近なことから、海岸のクリーンアップ小さなことから大きなことまで、できることはたくさんあります。

しかし、持続可能な未来への長い道のりは、『気づき』という小さな1歩から始まるのです。

この記事では、そんな『気づき』を得るきっかけになるかもしれない、環境にまつわるギネス世界記録をご紹介します。環境改善に貢献するような記録や、醜いともいえる現実を反映した記録などを通じて、環境問題に対して人類が成しえたことや、未だ残された大きな課題の数々が少しでも見えてくればと願います。

海面上昇

polar bear in the arctic

人類が地球温暖化を起こしているのは、まぎれもない事実です。 

2019年、深さ2,000 mまでの海洋の熱量が228 ZJと測定され、1981年から2010年までに登録された数値の平均を大幅に上回りました。

これは0.075°Cの温度上昇と同等で、ギネス世界記録「観測された最も高い平均海面温度|warmest average global ocean surface temperature recorded」に登録されています。

さらに、1880年に観測・記録が開始されて以来、全世界の海面は21-24 cm上昇したと推定されます。そのほとんどが、氷床や氷河が海洋の温度上昇に伴い溶けてしまったことが原因です。

2019年、アメリカ海洋大気庁(NOAA)は、海水は1993年の平均より87.61 mm上昇したと発表。これに伴い「最も高い海水上昇|highest sea level rise」も更新されました。

ホッキョクグマなど、多くの動植物に多大な影響を及ぼす地球温暖化。生息地の一部である氷床が急速なスピードで溶けているのです。

最大の海洋汚染物

greatest ocean pollutant

私たちは日々、プラスチックに囲まれた環境で暮らしています。レジ袋から食品包装は、こういった環境にやさしいとはいえない成分からできていて、世界中の家庭にまで広く流通しています。

そのため、プラスチック製の袋が「最大の海洋汚染物|greatest ocean pollutant」であるのは驚くことではありません。

国連環境計画によると、1平方マイルの海洋につき46,000点のプラスチックが捨てられていて、プラスチック製袋は海洋ゴミの50%以上を占めるとしています。分解に450年もかかることを鑑みると、これは驚くべき統計結果です。

つまり、海に漂流している多くのプラスチック……そして今も今後も捨てられるプラスチックが、これから数百年にもおよび滞在し続け、生態系を苦しめることになるのです。

科学者たちは、太平洋の一部で(プランクトンを含む)バイオマス1 kgあたり、6 kgのプラスチックが存在していることも確認しています。

海の最も深くに発見されたプラスチック

Great Pacific Garbage Patch ocean with debris

プラスチック汚染は海面のみの問題ではありません。プラスチック袋はなんと海底10,898 mでも見つかっており、これは「海の最も深くで発見されたプラスチック|deepest plastic debris found in the sea.」として登録されています。

これは海洋研究開発機構(JAMSTEC)の国際海洋環境情報センター(GODAC)が発見し、2018年10月、学術雑誌「Marine Policy」(Volume 96)に掲載されました。

太平洋ゴミベルトを泳いだ最長距離 

Longest-distance stage swim through the Great Pacific Garbage Patch

2019年の6月14日から8月31日にかけて、水泳選手のブノワ・ルコントさんは、スケールの大きな「泳ぎ」をなしとげました。

ブノワさんはなんと太平洋ゴミベルトを横断し、ハワイからカリフォルニアまでの626 kmを泳ぎ切り、ギネス世界記録「太平洋ゴミベルトを泳いだ最長距離|longest-distance stage swim through the Great Pacific Garbage Patch」に認定されたのです。

太平洋ゴミベルトは北太平洋旋廻にあり、世界の海洋で最も多くのゴミが凝集している場所とされています。その大きさは、フランス国土の約3倍、イギリス国土の約6倍です。そこには1.3兆ものプラスチックごみがあり、総重量は約8万トンといわれています。この事例だけでも、プラスチックが海と海洋生物を窒息させている様子を思い浮かべるのは容易ではないでしょうか。 

最も環境にやさしい都市

Stockholm is the most eco friendly city in the world

多くの国々や都市は、こういった甚大な環境問題を受け、より環境にやさしくなろうと動いています。スウェーデンのストックホルムは、現在「最も環境にやさしい都市|environmentally friendly city」とされています。

低エミッションや持続可能なインフラ、空気質などが、世界の100都市のなかで最も環境にやさしいとみなされたのです。2018年、オランダの会社「Arcadis」は世界各国の都市を、人・地球・利益の3つの柱からなる持続可能性をベースに研究しました。そのなかで地球(環境)の柱で抜きんでたのが、スウェーデンの首都だったのです。