split image Hakuho Sho during match and with certificates

パワフルで爽快感が魅力の大相撲。このエキサイティングな相撲界から、一人の力士が前人未到としか言いようのない偉業を成し遂げました。

14年以上横綱を務めた元横綱白鵬(日本、モンゴル出身)は、5つのギネス世界記録を達成しています。

  • 「大相撲優勝最多回数 | Most top division sumo championship wins 」(45回)
  • 「横綱在位最長期間 | Longest reigning yokozuna (sumo wrestling)」(84場所)
  • 「幕内通算勝利最多回数 | Most sumo top division wins」(1,093勝)
  • 「大相撲通算勝利最多回数 | Most matches won in a professional sumo career」(1,187勝)
  • 「幕内全勝優勝の最多回数 | Most undefeated top division sumo championship wins」(16回)

白鵬は2021年9月に引退し、現在は親方として間垣の名を背負っているが、白鵬はこれまでの力士の記録をはるかに超える記録を打ち立てており、新進力士が破るのはとてつもなく困難なことです。

Hakuho Sho during sumo wrestling match

例えば、白鵬の「横綱在位期間最長記録 | Longest reigning yokozuna (sumo wrestling)」。横綱在位84場所(1年間で6場所)、つまり14年間も横綱であり続けたことになるのです。これまでの記録は、30年以上前に北の湖が打ち立てた63場所です。

ギネスワールドレコーズの取材に応じた白鵬関は、相撲に魅せられた時期について次のように語ってくれました。

「1996年、私が6歳のとき、(第45代横綱の)若乃花がモンゴルの相撲を見に来ました。そこで、彼は私の父と私に会いました。彼がお菓子をくれたのを覚えています。日本のポピュラーなお菓子、たしかうまい棒だったと思います。それ以来、私は衛星放送で相撲を見るようになって、すぐに自分も力士になりたいと思うようになりました」

Hakuho Sho speaks to Guinness World Records with official certificate in the background

早くから勝利の味を知り、モチベーションを高めていたのです。

「私の父はオリンピックに5度出場したレスリング選手で、私はそれを見て育ちました。また、前日にテレビで見た相撲を頭の中で再生しながら、友達と一緒に相撲をとっていました。そして、勝ったときの喜びが、相撲への思いをさらに強くしたのです」

しかし、白鵬が相撲界に進む道は決して順風満帆なものではありませんでした。

来日した時、白鵬の体重はわずか62kgでした。あまりに軽いため、彼は競争に勝つために厳しい稽古に耐えなければなりませんでした。白鵬は当時を振り返り、「当たり前のことを当たり前にやっていた」と語りました。

それは、稽古後2時間以内に食事をし、昼寝をすることでした。そして、昼寝の後は?さらに稽古です。

力士が食べる鍋料理といえばちゃんこ鍋ですが、それだけでは成長するのに必要なカロリーは取れません。白鵬は、その秘訣を「白米にある」と言います。

「白米をたくさん食べなければなりません。食べることは間違いなく稽古の一部でした」

Asashoryu left, Hakuho right

白鵬は、“最高の取り組み、最も印象に残っている取り組みや場所は選ぶことはできない”と言うが、あえて挙げるとしたら、2004年に横綱・朝青龍を破り金星を取ったことだろう。

この取り組みは、大相撲を始めてからわずか3年後の出来事でした。金星は下位の力士が横綱に勝つことですから、間違いなく大きな出来事です。白鵬と朝青龍はその後、激しいライバル関係を築きました。

そして、朝青龍との節目の取り組みからわずか3年後の2007年、白鵬は横綱に昇進しまた。横綱になると、例外を除いて番付が下がることはありません。

大鵬(60年代を代表する力士、最多優勝記録保持者)は白鵬に“横綱であり続けるには勝ち続けなければならない。そうでなければ引退を考えなさい”と言ったという。

(大鵬の話を聞いて)並々ならぬプレッシャーを感じ、横綱の重みを再確認しました

白鵬は、相撲人生の後半は苦しかったと語った。

「41回目以降の優勝は、ケガとの戦いでした。そこで、例えばウエイトトレーニングはもちろん、食事にサラダを食べるなど取り入れました」

Hakuho Sho speaks to Guinness World Records

また、ファンやこれまでのキャリアで出会った人々にも感謝している。

「たくさんの人に出会い、その人たちに支えられて、(これらの記録を)達成することができました」

記録を更新するコツについて聞かれると、自分の心を決めてそれを貫くことが非常に大切だという。

夢や目標を持つことは、本当に大切なことだと思います。私は15歳で来日し、横綱になりました。夢や目標は、頭で考えて、心でイメージして、それを行動に移せば、必ず実現するものです。何かで世界一になりたいと思ったら、そのモチベーションを持ち続けることです。そのことを肝に銘じることです。

Hakuho Sho with five official certificates

引退後も相撲界に身を置きながら、記録との戦いは続いている。

「指導者として、強い力士を育て、日本相撲協会に恩返しをしたい。私が指導した力士が、ギネス世界記録保持者になることを願っています」