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ゲームはいままであらゆる世代に楽しみと喜びを与えてきました。そしてパンデミックが世界中で猛威を振るうなか、『Hades』や『あつまれ どうぶつの森』といったゲームタイトルで遊ぶ家庭はさらに増えました。 

ゲームを楽しむ一方で、ゲーム機に情熱を持つ人もいます。その1人がアメリカ、マサチューセッツ州に在住のガンナー・タークイストさん。彼はなんと「最小のNINTENDO64改造コンソール|smallest modified Nintendo 64 console」をつくり、ギネス世界記録を更新したのです。 

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挑戦することや、技術革新を通じて壁を超えることが好きなガンナーさんは「N64は子どものころに初めて手にしたコンソールで、とても好きなんだ。だからこのプロジェクトを行おうと思ったんです」と語りました。

NINTENDO64は90年代中期に発売されたゲーム機で、カートリッジをストレージとしています。サイズは高さ72.9 mm、幅259.8 mm、奥行き190 mmと、かなりの大きさ。これを小型化するのは容易ではありません。

プロジェクトを成功させるには、マザーボードをトリミングしたり、小型化しても機能性を失わないように気を付けたりする必要がありました。細かい配線もマッピングして、再配線を行ったそうです。

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結果、8.4 cm x 11.8 cm x 4.5 cm のサイズに収めることができました。このコンソールはガンナーさんのYouTubeチャンネル『GmanModz』で初披露されました。(ちなみにこのチャンネルではゲーム機はもちろん、シンセサイザーなどといったゲームにも関連するエンジニアリング・プロジェクトを説明しています。)

内蔵のLCD画面のサイズは3.5" で、バッテリーは1.5時間持ち、N64のコントローラ・ボタンも搭載されています。

ガンナーさんによると、13歳のときに初めてゲーム機改造マニアがつくったポータブルゲーム機を見かけたとか。当時の彼は、そんなことができるのか!と驚いたそうです。改造ゲーム機に魅了されたガンナーさんは、自身でもつくろうと考えたのです。

学校の自由時間などで、オンラインの情報や改造マニアによる動画を見て、ゲーム機のつくり方を学びました。そして10年かけて、何度もゲーム機をつくり続け、スキルを磨いてきました。

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その過程で、通っている高校の先生や友達がサポートしてくれるようになったそう。そして進学先では電気工学を学ぶことにしたのです。 

13歳から電子工学を学び始めて、ポータブルのゲーム機をつくる人たちをオンラインで見たとき、最高のカッコよさだと思いました。自分でもやってみたいと思ったんです。そしてそれを助けてくれる友達や先生もいました。僕のプロジェクトに興味を持って、その指導をしてくれる高校の先生がいたんです。

ガンナーさんにとって、ギネス世界記録を達成したことの報いは記録自体ではありません。過去のゲーム機の技術と、(3Dプリンター、マイクロコントローラ・プログラミング、PCBデザインといった)最新技術を合わせる限界を、努力と忍耐力で超えられたことに、達成感を得ているのです。

誰にだってポータブルゲーム機をつくったり、DIYで電子工学のプロジェクトを完遂させたりすることができます。覚えることはたくさんあるかもしれませんが、基礎的なことからはじめて、そこから少しずつステップアップしていけばいいんです。