アメリカ、イリノイ州に住むブタのベビー・ジェーンちゃんが、ギネス世界記録「史上最高齢の飼育されたブタ｜oldest pig in captivity ever」に認定されました。
2021年4月19日認定時のベビー・ジェーンちゃんの年齢は、なんと23歳77日！1998年2月1日に生まれ、パトリック・カニングハムさんとスタン・コフマンさんによって飼育され、現在でも彼らと一緒に暮らしています。
ベビー・ジェーンちゃんは、バージニア州でレスキューされ、パトリックさんの知り合いが里親の手配をしてくれたそう。イリノイ州の家に来たのは、ベビー・ジェーンちゃんが生後8週間のときでした。
パトリックさんとスタンさんには2人の子ども、ジャスティンくん（12歳）とマルケーゼくん（11）がいます。またルーシーちゃんというブタも飼っています。
「ルーシーは2004年に家族の一員となったんだ。ベビー・ジェーンが、同性のブタに慣れるのにはとても時間がかかったよ。ここ数年は、いつも一緒にいるようになったね」
ルーシーちゃんも高齢で、9月には17歳の誕生日を迎えます。
パトリックさんとスタンさんは、ブタのほかにも犬を飼っていたそう。
「ベビー・ジェーンがいる間に、2匹の犬がいたけれど、ここ3年で亡くなってしまったんだ。一時期は2人の父親、2人の息子、2匹の犬と2匹のブタがいる大所帯だったんだ」
ベビー・ジェーンちゃんは外よりも、インドアで楽しむ方が好きだとか。外でトイレに行ったり遊んだりすることもありますが、基本的には室内にいることが多いそうです。
「外にいるときはいつも私たちがそばにいます。室内にいるときは、私たちのベッドやソファーにいます。ベッドにいるときは私たちの枕に頭を乗せて大きく伸びているので、私たちが横になるスペースはほとんどありません」
「ベビー・ジェーンが若かったころ、私たちが他の部屋にいる間に、彼女のいる部屋がなぜか静かになったんです。気になって見に行ったら、ベビー・ジェーンが布団から出した羽毛の上に横たわっていたんです。まだ空を舞っていた羽毛もあれば、彼女の鼻の上にくっついた羽毛もありました。当時は布団を破るのが大好きだったんですね」
今では暴れることはほとんどなくなったベビー・ジェーンちゃんですが、たまに機嫌が悪くなることもあるそうです。
「思うようにいかないと、何かを倒したり大声を出したりします。1回、ルーシーのベッドに粗相をしてしまうこともありました」
ベビー・ジェーンちゃんは1日の決まったスケジュールがあり、家族はそれに協力するようにしています。
「ベビー・ジェーンは家族で面倒を見ています。朝起きたらトイレに行って、食事をしたら昼まで寝ます。昼になると朝と同じ流れをして、夜もまた同じ流れをします。夜や週末になると、一緒に外で過ごしたりもします」
ここ数年でベビー・ジェーンちゃんの活力は下がってきていますが、パトリックさんとスタンさんによると、彼女の頭はまだしっかりしていると言います。
「若いころはもっと活発で、外に出て草を食べたりひなたぼっこをしたりしていました。年齢があがってきたので、より動いてもらうようにしています」
ちゃんと歩けていますが、階段では少し助けてあげることも必要です。しかし大体はまだ彼女自身でできます。食品の包装の音が聞こえたり、キッチンで音が聞こえたら、今でも耳がピンと立つほどです。
そして長期休暇をとっても家族みんなで遠出ができるように、キャンピングカーを買ったとか！
「ベビー・ジェーンは色んな所に旅行しています。特に好きなのはキーウェストで、ビーチが大好きなんです。最南端のスポットで写真を撮るのも。旅行が好きで、キャンピングカー乗りも余裕でこなします」
20年以上も共に過ごしてきたパトリックさんとスタンさんは、ベビー・ジェーンちゃんと強い絆と、数々の素敵な思い出があると言います。
サンタさんと会ったり、アメリカ中をキャンピングカーで旅したり、ドラッグクイーン・ショーに出たりもしました。
他の多くのブタと同様、ベビー・ジェーンはかしこいだけでなく、愛情深くて人の感情に共感してくれます。私たちと一緒にいることが大好きですし、私たちも気持ちは同じです。私たちが悲しんでいたり怒っていたりすると、それに気づいてくれます。そして彼女はただ愛して愛されたいだけなんです。子どもたちとも一緒に過ごしてきたので、ベビー・ジェーンはもちろん彼らも愛していますよ。
我が家に最高齢のブタがいると言えるのは最高なことです。彼女と一緒に過ごす1日1日に感謝をしています。その毎日において、彼女を愛して面倒を見てあげられるのはとても特別なことです。
パトリックさんとスタンさんは、この記録を通じてベビー・ジェーンちゃんのような「Pot-bellied Pigs」についての知識を伝えていきたいとも考えています。特に「マイクロブタ」という考えについての誤解を解きたいと言います。マイクロブタもいずれは大きなブタに成長します。それを知らなかったオーナーたちがそのブタを手放してしまうということが多く発生しているそうです。
「ペットとしてブタを飼おうと考えている人には、各自でしっかりリサーチをするようにとアドバイスをします。また、レスキューや里親を考えている場合は、本当にあなたにとって適したペットなのか、それを知るために必要な問いかけを全て行うことが大切です。私たちも23年以上も続く関係性だとは思っていませんでした。とても長いコミットメントですし、彼らの人生は全てあなたにかかっています。彼らにコミットする意思がなければいけません」
Header image credit: JPM Photography
