header image of Michael Manning standing at door of restored worlds longest car

長さ30.51 mの「最も長い車|longest car」がレストアされました。

2022年3月1日、この長い長いリムジン『アメリカン・ドリーム』はレストアを経て、長さは若干伸び、30.54 mとなりました。

『アメリカン・ドリーム』は1986年、アメリカのカリフォルニア州で製造され、長さは18.28 mでした。タイヤの数は26本、そして車の前後にV8エンジンを搭載していました。

その後、このリムジンは30.5 mに延長されました。

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ベースとなったのは1976年式キャデラック・エルドラード。前からでも後ろからでも運転をすることが可能です。中心部にはヒンジがついていて、コーナーを曲がりやすくしています。

中にはウォーターベッドやダイブ板つきのプール、ジャグジー、ミニゴルフのコース、ヘリポートなどもあり、75人が乗ることができます。

Image credit: Michael Manning

しかしこの車両は、何年もの間、ニュージャージー州の倉庫に保管されたままでした。

1986年にギネス世界記録に認識されると、一気に人気が出て、映画などにも登場したことがあるほど。その一方で、徐々にメンテナンスがおろそかになっていきました。

また、駐車する場所などもハードルとなり、人気も衰えるようになったのです。さびも増え、元に戻すのが難しい部分も出てきてしまいました。  

Image credit: Michael Manning

あのときの輝きを

そんな車をレストアしようと動いたのは、ニューヨーク州にある博物館 Autoseumでした。オーナーのマイケル・マニングさんによると、初めて見たときは、落書きがあったり窓が割れていたりと、ガラクタのようだったそう。それでも気に入ったマニングさんは、車を手に入れてレストアすることにしたと言います。

しかし購入後もプロジェクトのための資金集めが不十分で、7,8年は何も進まないままだったとか。

Image credit: Michael Manning

さらに今度は、車を保管していた場所の賃貸期間が終わってしまい、車を置く場所に困ってしまいます。eBayに出して売れなかったら、また違う場所に保管することを考えたそうです。

レストアを延期しようと思っていました。いつか必ずレストアするときは来ると思っていました。諦めることは考えていませんでした。

2019年、フロリダ州にある車の博物館『Dezerland Park Car Museum and Tourist Attractions』のオーナー、マイケル・デザーさんが、eBayに出品されているリムジンを見つけ、マニングさんに連絡しました。

デザーさんはマニングさんから車を買い取り、レストアをすることに。そしてマニングさんも協力する運びとなりました。

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レストアにかかった金額は25万ドル(約2900万円相当)以上。レストアが完了するまで3年もかかったそうです。

中古のエルドラードを入手しパーツを得るなどして、オリジナルのルックスを損なわないようにレストアをしました。内装や駆動系も同じようにして修理を重ねました。

よみがえったドリーム

見事レストアされたアメリカン・ドリームですが、車両が長いこともあり、公道で走ることはないようです。『Dezerland Park Car Museum』に、他のユニークなクラシックカーとともに展示されます。

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この車は実物で見るべきものです。実際見ると、その大きさに驚くことでしょう。

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