twins height difference split

菊地淑恵さん・教恵さん姉妹が「存命中の最も身長差がある二卵性双生児(女性)|greatest height differential in living non-identical twins (female)」に認定されました。

淑恵さんの身長は162.5 cm、一方で教恵さんの身長は87.5 cm。ふたりの身長差はなんと75 cmもあるのです。

Yoshie and Michie Kikuchi

ふたりは1989年10月15日生まれ。教恵さんは骨の病気があり、身長が伸びませんでした。両親のもとで暮らしていて、普段は住職であるお父さんのお手伝いなどをしています。

一方で淑恵さんは母となり、現在は子どもと一緒に住んでいますが、休みになるとよく実家に戻り、家族との時間を楽しんでいるとか。

教恵さんは自分に自信を持てない面もあり、内気な部分がありました。しかし2012年に史上最も背の低い男性、チャンドラ・バハドゥール・ダンギさんのことを知ったことで、ショックを受けたそうです。なぜなら、チャンドラさんは自身の低身長を誇りに思い、世界にみせつけていたからです。

Yoshie and Michie Kikuchi shortly after birth

チャンドラさんのストーリーを知った教恵さんは、自身でも記録に挑戦できないかと考えました。しかし世界で最も背の低い女性になるには身長が高すぎました。そこで、双子という特徴を活かして記録を狙えないかと考えたのです。

記録に認定されるには、朝・昼・夜にそれぞれ身長を測定する必要があります。実際、審査当日には医師も立ち会いました。

Michie Kikuchi getting her height measured

教恵さんにとってギネス世界記録に認定されるのはいいけれど、身長が低いことはいいことばかりではありません。最近だと手を洗うのが大変だと感じることが多いそう。みんなで立っての会話はよく聞こえないときがあります。「そして上からしゃべると唾が落ちてくるんです」と苦笑いを浮かべました。

淑恵さんと教恵さんは双子ですが、性格は正反対だとふたりは言います。

「私たちは双子ですが、意思疎通は図れません。教恵にはいつも、話さないと分からないよと言っています」と語る淑恵さん。「教恵はピンクの服が好きですが、私はもっと暗い色を好みます。教恵は驚くほど涙もろいですが、私は短気ですぐ怒ります。あと、小さいころ遠足に行ったら、お弁当箱からお互い嫌いなものを渡しあってたら、お互い好きなものが詰まった弁当ができあがりました」

Yoshie and Michie Kikuchi in their youth

ふたりにはこのような違いもあり、ちょっとした口論はよくあるものの、大きな喧嘩をすることはありませんでした。必要があれば、互いを助け合うこともあります。

例えば教恵さんが学校でちょっかいを出されていたら、違うクラスにいる淑恵さんに助けを求めれば、ちゃんと来てくれました。

Michie Kikuchi smiling

病気の名前を知ってから、教恵さんはそれについて深く考えすぎないようにはしていました。しかし街中で見知らぬ人から受ける言葉には傷つくこともあったと言います。「ただ見られるならまだいいんですが、指をさされたり何か言われたりするとつらいです」と教恵さんは言います。

一方で淑恵さんは妹を特別視しないと言います。「生まれたときから一緒にいるので、障がい者という感じがしないです。普通の人、です。そして、妹・家族。それだけです」

Yoshie and Michie Kikuchi holding an official Guinness World Records certificate

見事ギネス世界記録に認定されたふたり。これを機に、障がい者を持つ人たちに勇気を与えられたらと考えているそう。

いろんな障がいを持っている人がいると思います。でもそれを障がい者として区分すると差別が始まる気がします。この記録を通じて「こういう人もいるんだよ」「障がいを持っていても頑張れるんだよ」と言うことを伝えたいです。そして同じ病気を持っている人やその親御さんにも「大丈夫なんだよ」「普通に生きていいんだよ」って伝えたいです。