

アメリカのジム・アリントンさんは、何十年もジムに通い、筋肉をつけてきました。
すでに営業職のキャリアから退職し、ひいおじいさんにもなっているジムさんは、2015年にギネス世界記録「最高齢のボディビルダー|oldest bodybuilder」に認定されました。当時の年齢は83歳でした。
2023年7月現在、ジムさんは90歳。今でもジム通いを続けていて、大会で優勝を果たすこともしています。最近だとネバダ州で開催された国際ボディビルダーズ連盟(IFBB)プロフェッショナル・リーグのイベントにおいて、70歳以上のカテゴリーで3位入賞、80歳以上のカテゴリーでは優勝を飾りました。
ジムさんの筋肉の素晴らしさは言わずもがな(総合男性誌『Men's Health』の紙面にも掲載されたほど)ですが、生まれつき体格が良かったわけではありません。
ジムさんは未熟児として生まれ、出生時体重は2.5 kgでした。ジムさんによると、彼の両親は命をつなぎとめるために「必死の必死」だったと言います。その後も喘息に悩まされ、幼少期は不健康で、頻繁に病気になっていたそう。
しかし1947年、当時は15歳のジムさんは「(不健康な状態は)もうたくさん」と思い、ウェイトトレーニングを始めたのです。
「スーパーヒーローになりたかったんです」とジムさんは当時を振り返ります。
それから70年以上経った現在も、ジムさんにとってウェイトトレーニングは人生に欠かせないもの。週に3回ジムに通い、2時間ほどのトレーニングを行っています。
ジムさんによると、これまで長く続けてこれたのは、年齢による身体の変化に適応してきたからだと言います。
「ある年齢でうまくいった方法が、そのまま年を重ねてもうまく生き続けるわけではないんです」
こういった「適応」は、トレーニングの内容だけではなく、食事にも及びます。
昔は牛乳と牛肉を多くとっていたと言うジムさんですが、高齢になるとともに、それらが炎症を起こす原因になってしまったとか。
そこで今はオリーブオイルやきのこなどといった食材を積極的にとるようにしているそうです。
ジムさんは、自身の体つきには全く納得していないとか。しかしだからこそ、筋トレを続けるモチベーションがあがると言います。
「素晴らしいボディをたくさん見ていると、彼らに勝るためには、誰よりも長くやり続けることだと悟るんです。だからそれを今なおやり続けているんです」
ジムさんによると、ギネス世界記録に認定されたことで、新しい世界が広がったそう。認定をきっかけに、さらに続けるインスピレーションを得ることができたと言います。