ハーバード大学教授、アメリカ大陸を走破し、記録を破る

By Sanj Atwal
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split image of Jenny Hoffman running

ハーバードの物理学教授であり、3度の国内超長距離ランニングチャンピオンであるジェニー・ホフマンさん。自分の足でアメリカを横断するという目標を達成しました。かかった時間は、47日12時間35分。「ランニングでアメリカを横断した最も速い女性|fastest crossing of America on foot (female)」の記録を手に入れました。

45歳で3児の母親でもあるホフマンさん。サンフランシスコ市庁舎を出発し、ほぼ7週間後にニューヨーク市庁舎でゴールした彼女の記録は、前世界記録よりも7日以上も速いものでした。

毎朝午前4時にスタートし、平均して1日に13〜15時間走る日々を乗り越えたホフマンさん。急な坂を上るとき以外はほとんど歩きませんでした。

安定した体重を保つために、1日あたり最大8,000カロリー(主に卵)を摂取しました。

Jenny running on winding road

彼女は2019年にもこの記録更新を狙って挑戦しましたが、膝の故障により42日後にオハイオ州に到達し、ランを終了しました。その後、彼女の膝は手術と長期のリハビリを必要としました。

今回、6人の女性クルーに支えられた彼女の挑戦。交代で、常に2人がホフマンさんと同行するようにしました。彼女の寝場所の横にRVで待機し、昼間には食べ物、水、衣類を補給するためにミニバンで彼女の後ろを追い続けました。

ホフマンさんは挑戦で使用したランニングシューズの数は、11足。1足あたりだいたい3〜5日は持ちましたが、それも道路の表面によって異なりました。

彼女は「ウォルマートで買った安い綿の靴下」を履いていましたが、多少の水ぶくれで済んだと言います。

Jenny running beside open fields

しかし、彼女はその他に多くの怪我を経験しました。スネの肉離れ(2019年の記録で同様の症状を経験し、予防策を講じたにもかかわらず、5日目に発症)や、膝、ハムストリング、ふくらはぎなどに問題が出てきました。

「最後の数日間にいくつかの怖い転倒がありました。そこで膝をかなり打ちました」とホフマンさんは振り返ります。

ゴールまでたどり着くために、とにかくすべての怪我の状態を悪化させないことで精一杯でした。

ホフマンさんは子供の頃からアメリカを横断することを夢見ていました。年を取るにつれ、その憧れはますます強くなりました。

最初の試みが終了した後、リベンジに向けて、週に最大で200マイル走るなどのトレーニングを集中的に行ってきました。

彼女は2019年に走ったのと同じルートを辿りました。例えば急に現れるマウンテン・ライオンや、ヨセミテ公園の曲がりくねった道路を猛スピードで走り抜ける車など、ほとんどの予測しうる危険には備えていましたが、それでもホフマンさんはいくつかの予期しない問題に遭遇しました。カリフォルニアの山道では雹と雷を乗り越え、ネブラスカ州では数マイルにわたる粘土のような泥を乗り越え、RVのバッテリーは2度も切れました。

Jenny running with shin splints

その中でも、ホフマンさんは、収穫期のピークの時期にネブラスカ州を走ることが最も大変だったと述べています。泥だけでなく、時速44マイルの向かい風、目がくらむようなほこりっぽい空気、「恐ろしい」化学肥料用トラック、リードを外された犬、雷雨、そして激痛を伴うふくらはぎのけがに苦しんでいました。

ネバダ州でも、また独特の困難を経験しました。砂漠の気候の極端な温度変動が、通常よりもはるかに早く、疲れを引き起こしました。

とにかく容赦なく問題が訪れました。それでも、天気や地形に関係なく、48日間、毎日、どれほど疲れていても、けがや病気が辛くても、落胆していても、私は必ず60マイル走り続けました。

全ての苦しみが報われた瞬間が、ジョージ・ワシントン橋を渡って、最後の12マイルを、マンハッタンを通って家族や友人たちの群衆と一緒に歩いたときでした。

「とにかくたくさんの人の愛を感じました。すべての人に、あの時私が経験した気持ちを経験して頂きたいです。」とホフマンさんはその時の様子を振り返ります。

「私はただ、皆さんからいただいた支援、応援に感謝しています。この旅に同行してくれて、私の夢を実現するのを手伝ってくれた6人の素晴らしいチームには、頭が上がりません」

Jenny running in early morning

現在は、フルタイムの仕事と、家族と過ごす日常に戻っていますが、ホフマンさんは将来の冒険にも思いを馳せています。

「行ったことはありませんが、ニュージーランドはとても美しいと、よく聞きます。南北トラバースは素晴らしい冒険になるでしょうめ」と話す彼女。

「アラスカにも行ったことがないので、行ってみたいです。その前にもっと白熊について学ばなければなりませんね」

男性の自分の足によるアメリカ横断記録は、現在2016年にサンフランシスコからニューヨークまでを42日6時間30分で走った、ピート・コステルニック(アメリカ)が保持しています。