ロニーとドニー、68歳で、連結双生児として史上最高の年齢を達成

By Sanj Atwal
掲載日
split image of Ronnie and Donnie

非常に珍しい現象である、連結双生児。推定では、約50,000の妊娠に1度起こるほどの確率とされています。

そして連結双生児の約70%は女性であり、多くの方々は死産か、生後1日以内に死亡します。

そのため、腹部と骨盤でつながった、この健康な双子の誕生は、あらゆる既存の予測を覆すものでした。双子の名は、ロニー、そしてドニー・ガリオン。

多くの困難を乗り越えてきた彼ら。後に、「最高齢の連結双生児|oldest conjoined twins ever」となりました。

二人は68歳で2020年に亡くなりましたが、前記録保持者より5歳以上長生きしました。

1951年10月25日にオハイオ州デイトンで生まれたロニーとドニー。その後の2年間を病院で過ごし、医師たちは最終的に、二人を安全に分離することができないと判断しました。

双子はそれぞれ自分の心臓、胃、肝臓、肺、腎臓、そして腕と足を持っていました。

解剖学的に二人が結合していた部分は、尿道と下部消化管。また、一つの直腸と、膀胱を部分的に共有しており、それぞれドニーがコントロールする1つの陰茎に繋がっていました。

Oldest conjoined twins standing

彼らの誕生のニュースが広まると、双子の両親であるアイリーンとウェズリーの元に、彼らを見世物として世に出すためのオファーが殺到しました。

二人は最初は拒否しましたが、9人の子供を支えなければならず、また学校から双子の入学を拒否されたため、ウェズリーは7歳のロニーとドニーを連れて旅を始めました。

そして、彼らの30年に及ぶサーカス、見世物、遊園地の巡業が始まりました。双子は、アメリカ本土、カナダ、そしてラテン・アメリカを巡業して回りました。

双子はこのツアーを通じて有名人となり、家族を支えるための十分な収入を得ました。

自立した生活

1991年、39歳のとき、ロニーとドニーは引退し、デイトンに家を買い、20年間二人で生活をしました。

彼らは同じ街に住む弟のジムとその妻メアリーから、少しの援助を受けていました。

4本の腕と4本の足を調整しながら、双子は日常のタスクをこなすための独自の方法を考えだしていきました。例えば、自分で自分の髭を剃るよりも、お互いの顔を剃り合う方が楽なことに気がつきました。

援助なしにでも、双子は、自分たちで食事を作り、自分たちで洗濯をし、自分たちでシャワーを浴びて生活することができました。

外に出るのが好きだった二人。カスタムの二重車椅子を使ってコミュニティで活動しました。

結婚して子供を持つのが夢でしたが、その状態ゆえ、他人との個人的な関係を築くのは困難でした。

Oldest conjoined twins sitting

睡眠も二人が日常で経験する困難の一つでした。同時に横になることができなかったため、交代で寝ていました。しかし、2010年に59歳で、彼らは同時に眠ることを可能にする、カスタムメイドの椅子付きベッドを贈られました。

1997年のジェリー・スプリンガーショー、1998年のギネス世界記録プライムタイム、そして2010年のTLCドキュメンタリーなど、引退後には、テレビ番組にも出演しました。

最も年長の女性連結双生児と同様に、ロニーもドニーも分離されることは希望しませんでした。

私たちは神の意志によって、このように生まれたのです。私たちは今の自分たちのままで、幸せです。 – ドニ―

異なる性格

さまざまな臓器を共有した彼らですが、二人の性格は政治的な意見を含む多くの点で異なっていました。

のんびりした性格を持つロニーの一方で、ドニーはより真面目な性格をしていました。

そして、ロニーはドニーよりも怠け者であり、ドニーが家事のほとんどを行うことからロニーは彼を「小さな妻」と呼ぶこともありました。

兄弟として、彼らは時折喧嘩をしましたが、他の兄弟とは異なり、彼らは自分のスペースを持つことができませんでした。そのせいかお互いを身体的に傷つけてしまう時があり、病院で手当を受けることもあったと言います。

ジムは、二人が喧嘩を解決するのには、最長で5日かかると述べました。だいたいロニーが仲直りを申し出ることが多かったようです。

彼らのかかりつけの医師であるグレン・クウィアットによれば、双子は10歳程度の精神年齢にとどまっていたということです。

彼らの趣味は、おもちゃの車で遊んだり、テレビを観たりすることでした。しかし、時々、何を観るかで意見が分かれ、たとえ2つの別々のテレビを持っていたとしても意見が一致しませんでした。これについて聞かれたインタビューで、過去にドニーは、「彼が音量を上げたら、私も上げる」と答えています。

ジムによれば、ロニーは食べることをとても楽しんだそうです。食べすぎることもよくあり、対照的にドニーは軽食派でした。

ジムは彼らの財政を管理し、請求書を支払い、毎月の手当を与えました。彼は、もし機会があれば、彼らが全てのお金をおもちゃの車に費やすのではないかと考えていました。

最高齢の連結双生児になるまで

2009年、ロニーが肺に命を脅かす血栓を引き起こすウイルス感染症にかかり、双子は入院しました。

その後、トイレを含むほとんどの日常生活に支援が必要となり、24時間体制のケアが必要とされました。

地元コミュニティから寄付とボランティアのおかげで、ジムとメアリーの家にはバリアフリーの増築がされ、そこがロニーとドニーが残りの人生を送る場所となりました。

2014年7月に双子は、1874年に62歳で亡くなった前記録保持者、チャンとエン・バンカーの年齢を超えました。

そして、彼らの63歳の誕生日、二人は公式に世界で最も年長の連結双生児となりました。後に認定された記録保持者、ジャコモとジョバンニ・バッティスタ・トッチ(イタリア、約1877年〜1940年)の報告されていた年齢と同じ歳です。

ロニーとドニーは生涯を通じて公式のギネス世界記録の本に載ることを夢見ており、特集された時は大喜びだったと言います。

残念ながら、彼らは2020年7月4日、68歳253日で心臓発作で亡くなりました。