90歳で現役の、世界最高齢のトラック運転手に「引退」の二文字は無い
アメリカ出身のドイル・アーチャーが、90歳と55日で「最高齢のトラック/ローリー/HGV運転手(男性)|oldest truck / lorry / HGV driver (male)」として、ギネス世界記録に認定されました。
60年以上トラックを運転し、約550万マイルを走行してきた彼。
「今すぐに引退するつもりはありません」と語ります。「健康である限り、運転を続けます。私の辞書に引退という言葉はありません」
仕事はとても楽しいです。
アーチャーさんは、キャリアの最後の20年間を、カンザス州フィリップスバーグにあるCoomes Inc.で過ごしています。そして最近、事故なしで100万マイルを走行したことにより、「ミリオンマイル無事故ドライバー」にも認定されました。
彼が運ぶ限り、荷物は全て安全に届けられます。そしてその荷物の種類は多岐に渡ります。

「トラックで運べるものは何でも運びました」と話す彼。家畜動物から缶詰食品、家具から石油まで、国中のあらゆるものを運んできました。
アーチャーさんいわく、この仕事の最大の魅力は、たくさんの旅をすること。
「この仕事のおかげで、たくさんの景色を見ることができました。また、様々な国から来た人々と出会うこともできました」
これまでアーチャーさんは48の州を横断し、カナダの5つの州をすべて走破しました。
シカゴからロサンゼルスまでの有名なルート66を全行程(約2000マイル)走り、アイゼンハワー・インターステート・システムの8マイル区間を最初に運転した一人でもあります。
「特に心に残っているものは、山の風景、無限に広がる草原といった、この国が持つ緑の風景です」

「ケネディ宇宙センターとヒューストンのジョンソン宇宙センターを見る機会もありました。多くの州で、国際船舶が泊まる大きな港のデッキや港湾も見てきました。数えきれないほどの朝日と夕日が私のフロントガラスを照らしてきました。南西部の砂漠、長い歴史を持つ集落、ラスベガスの明るいネオン、シャイアンのロデオの西部の生活、ナッシュビルの音楽、そしてシカゴの巨大な製鉄所など、たくさんの風景と共に旅をしました」
「ですが、私のお気に入りは、いつでも6月と7月の高原の小麦畑です」
彼はカンザス州の家族農場で育ち、農業大学で学位を取得しました。
その後は材木と穀物を扱う会社で仕事をし、1961年にトラック運転業に就きました。
喘息により、農場と穀物運送業からは離れざるを得ませんでしたが、それでも運送業は続けました。
運転手として、厳しい天候から交通渋滞、燃料価格の上昇といった、多くの課題に直面してきました。ですが、楽しい瞬間もそれ以上にたくさんありました。
「昔、荷降ろしを待っている場所で、駐車中のトラックの鍵を開けようとしている二人の男がいました」

「彼らは鍵が開いているトラックを一台見つけると、そのドアを開け、中に入ろうとしました。彼らがそこ登りドアを開けると、なんと、二匹のドーベルマンが中に入っていました。驚いた一人はトラックから落ちて、通りに背中から着地しました」
「その後二人は全速力で逃げました。その時のことを思い出すと、今でも笑ってしまいます」
アーチャーさんは、自分が90歳になってもこの仕事を続けているなんて想像もしていなかったそうです。ですが同時に、最高齢のトラック運転手としてギネス世界記録記録に認定されたことを誇りに思っています。
道路を走り続ける生活を愛するアーチャーさんですが、帰るべき場所もたくさんあります。
高校時代からの恋人であるロイスさんとの結婚生活は70年間にも、二人の間には9人の子供、25人の孫、26人のひ孫がいます。
また、趣味としてアンティークカーが大好きなアーチャーさん。仕事が休みの時は、ジョン・ウェインの映画を観るのが好きだということ。
もし引退したとしても、彼の人生はまだまだ忙しそうです。