【現行する最古の建築計画】サグラダ・ファミリアが2026年ついに完成か

By Katherine Gross
掲載日 令和07年1月7日
工事が続くサグラダ・ファミリア

143年前、ウルキナオナ司教は、20世紀で最も野心的かつ決定的な建築プロジェクトのひとつとなる神殿の礎石を据えました。

バルセロナのサグラダ・ファミリアは、スペインの著名な建築家アントニオ・ガウディによって設計された唯一無二のカトリック・バシリカです。

La Sagrada Familia pictured from behind with trees

「現行する最も古い建設プロジェクト|oldest active construction project」であるこの世界最大の未完成のカトリック教会は、アシャンプラ地区でその尖塔が高くなり、石畳の上を階段が這うように成長してきました。それを現地の人々は、5世代に渡り見てきた。

当初は1882年にフランシスコ・デ・パウラ・デル・ビジャールによって設計されましたが、翌年ガウディがこのプロジェクトを引き継ぎゴシック様式とアール・ヌーボーの影響を融合させる事でデザインを一新し、バシリカに独特のスタイルを与えた。

この設計はガウディのライフワークの結晶となり、彼はサグラダ・ファミリアの建設を、中世ヨーロッパの偉大な大聖堂のような数世紀にわたるプロジェクトとして構想していました。建設期間について問われると、ガウディは「私のクライエントは急いでませんから」と答えたとか。

そびえ立つ塔と大胆に膨らんだフライング・バットレス(空中にアーチを架けた飛梁)が特徴的なサグラダ・ファミリアは、スペイン最大の観光名所のひとつです。その石造りの外観と堂々とした曲線は、周辺の背の低い都会的な建物群の中でもひときわ目立っています。

La Sagrada Familia from a distance

教会の中に入ると、ステンドグラスの赤、緑、青、黄色の色合いで染められた壁面に圧倒されます。窓は明るい色が下に、半透明の窓が上になるように配置されているため、壁の色は一日を通して色合いが変わり、朝はクールに、夕方は暖かく見えます。ガウディは、ファサードを万華鏡のようにカラフルにし、天国の栄光を反映させたかったと言われています。

The colorful ceiling inside La Sagrada Familia

ガウディは1926年、建築の4分の1も完成しないうちに亡くなったが、彼の遺体は教会の地下聖堂に埋葬され、お気に入りの作品とともに永遠に眠っています。

The Gothic architecture up close in La Sagrada Familia

それから100年近く経った今、サグラダ・ファミリアはガウディの時代とは驚くほど異なっています。

建設はゆっくりと進み、特にスペイン内戦と、1936年にFAIが地下聖堂に放火し、ガウディの原案が一部破壊された事で中断されました。幸運にも設計図の復元が実現し、教会の建築は、1950年代から21世紀まで断続的に進展しました。

しかし、技術の進歩のおかげで、木製の足場とノミとハンマーを持った労働者がタワークレーン、コンピューターモデル、精密なコンピューター数値制御(CNC)機械加工による石工に取って代わったため、ここ数十年で建設のペースは劇的に加速しました。

最近付け加えられたものとしては、主塔の頂上にある12個のクリスタルの星、精巧なファサードとドア、そして壮麗なオルガンがあります。そして、イエス・キリストの尖塔が屋根に追加されれば、サグラダ・ファミリアは世界で最も高い教会建築となり、現在の記録保持者であるウルム大聖堂よりも11 m高くなる。

La Sagrada pictured from outside, with scaffolding

カテドラルの建設は2010年に中間点を通過し、新型コロナウイルスの流行で一時中断したものの、建設業者は2026年の完成を目指し、2030年代までに美観工事を完了させる予定である事を確認しました。

つまり、来年の今頃、そしてガウディの没後100周年に、19世紀最大の芸術的驚異のひとつがついに完成する事になるのです。

Header: Manuel Torres Garcia/Pexels