アニメ『100カノ』”愛の演説”がギネス世界記録に認定

By Masakazu Senda
掲載日 令和07年7月4日
Wataru Kato, the actor of Rentaro Aijo, receiving the Guinness World Records official certificate

アニメ『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』が、ギネス世界記録「日本語アニメで最も長いセリフ|Longest monologue in a Japanese-language animation」に認定されました。その記録は、なんと7,453文字!

このアニメは、TOKYO MXほかで深夜に放送されたもの。中学で失恋100回を達成した愛城恋太郎が、高校で運命の人100人に出会うというストーリー。

記録になったシーンは、第2期最終話(第24話)の最後に登場しました。この”愛の演説”は、恋太郎が彼女たち一人ひとりの大好きなところをひたすらに語り尽くすという、この作品屈指の名シーン。そのセリフの膨大さに、放送が終わるとともに、大きな話題となりました。

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ギネスワールドレコーズは、この偉業をたたえるべく、愛城恋太郎役の加藤渉さんに公式認定証をお渡ししました。

そして加藤さんに、”愛の演説”収録の裏側などについてお伺いしました。

ーー今回話題になった、長尺のセリフをやることはいつ知りましたか?

原作はアフレコの前から全部読んでいたので、2期目をやるんだったら、このシーンが映像化されるのかなって思っていました。けれどもキャストは、次の台本をもらうまで、その次の話で(原作の)どこをやるのかを知らないままアフレコが進んでいきます。

1期は割と原作のエピソードを順々にやっていたんですけれども、2期は順番どおりではなかったので、このエピソードが入るはずの話数に違うエピソードが構成されていたので、やっぱりあのシーンは映像化できなかったのかと、残念な気持ちもありつつ、ほっとした気持ちもありました(笑)。

そしたら、2期の11話(第23話)のアフレコ時に「次回あるよ」と言われて「やるんだ!」ってなりました。

Wataru Kato (main voice actor of "100 Kano") being interviewed

ーー当日の収録はどのように行われたんですか?

さすがに台詞量が膨大すぎるので、このシーンだけはきっと個別収録なんだろうなって思ったら、信じられなかったんですけど、彼女たち役のキャストさんが後ろの席で座って見ていただいている中で全部読むことになって、それが終わった後に台本の順番通り全員で最後の台詞を叫ぶっていう、もう色々な衝撃と感動があるアフレコでした。読み終わった直後に彼女役のキャストの皆さんが、拍手というか、駆け寄ってくださって、尊敬する方々から、肯定的なお言葉をいただけただけでも、すごく胸がいっぱいで、やりがいがあったなって感じられました。

ーー演じる際に何か難しさなどはありましたか。

さすがに一息ではあの文量は言えないですし、喉も渇いてきます。あのセリフは、恋太郎がみんなの大好きなところを平等に、自然と口から溢れ出るように語るシーンなので、途中で演じている僕自身のコンディションが落ちたりして、みんなの魅力を伝えているところで……何かこう、パワーに差が出たら嫌だなっていう気持ちがありました。なので、単純に水分が足りないなと感じたら、一度切ってお水を飲んで、ちょっとだけ巻き戻して再開しながら演じていきました。

――この長台詞を読みきってみて、改めて愛城恋太郎はどんなキャラクターだと思いますか。

「愛の人」です。実は、読んでる途中に何か涙が滲んできて。それは決して読むのが辛いとか、演じているのが辛いとかではなくて、あの文量を実際に声に出して演じていると、これだけ相手のことを想えるんだという感動を覚えて、これだけ恋太郎が皆のことを愛しているんだって思うと、すごく僕はキュンとなりました。だから恋太郎は「愛の人」っていう言葉に尽きると思います。

Wataru Kato (main voice actor of "100 Kano") holding an official certificate

ーー今回、ギネス世界記録に認定されたわけですが、今後記録に挑戦される方や、記録に残らずとも何かに挑戦する方へ、もし加藤さんからメッセージなどあればいただけますでしょうか。

僕からアドバイスなどというものはありません。質問の意図に対して適切ではないかもしれないですが、ギネス世界記録は個性を認めるところや、秀逸で、ユニークで、ユーモアなものを記録として認定しているところに、平和の考えに近いものを感じます。みんなが目指す必要もないし、目指すべきでもないけれど、認定されてこうやって表彰していただいたり、それが皆さんに伝わったときに「すごいね」「面白いね」と言ってもらえるのって、すごく優しくて、平和で、愛があって、素敵以外の何物でもないなって感じます。

あえてメッセージを残すとすれば、いろんなギネス世界記録をサイトで閲覧して、健やかな気持ちになりましょう、優しい気持ちになりましょう、と伝えたいです。