全長6.7メートルの超巨大サックス!奏でる音は予想外?
世界で「最も大きなサクソフォン|largest saxophone」は、「沈みゆく船の警笛」のような重低の響きを放ちます。
楽器の長さは6.745 m、ベルの直径は39.1 cm、高さは2.74 m、重さは28.6 kg。内部の空気容積は推定で0.27立方メートルです。
書籍『ギネス世界記録2026』にも掲載されているこの超巨大サックスは、イタリアのBelow65-4hz.comに所属するジルベルト・ロペスさんのために、ブラジルのサクソフォン製作者ジェル・ステイナーさんによって製作されました。
その非常に低い音域から、この楽器は「サブ・コントラバス・サクソフォン」と呼ばれています。音域はB♭(A♭0)からF♯(E3)までで、周波数に換算すると25.95 Hzから164.8 Hzです。これはバス・サックスよりも1オクターブ低く、アルト・サックスよりも4オクターブ低い音域です。
サブ・コントラバス・サクソフォンの発明自体は1846年、ベルギーの音楽家であり発明家のアドルフ・サックスさんによってなされました。当時、彼はこの楽器を「サックス・ブルドン」と名づけましたが、実際に製作されるまでには167年の歳月がかかりました。

2021年にはイタリアのサクソフォニスト、ダニエレ・ヴィターレ・サックスさんがこの記録的な楽器を演奏する動画を投稿し、ファンたちはその独特の音に驚嘆しました。
彼は有名な曲をいくつか演奏し、その音は私たちが普段聴いているものとはまったく異なる響きを持っていました。
そのなかの一曲が、映画『タイタニック』のテーマ曲「My Heart Will Go On」でした。
YouTubeのコメント欄には「まるでタイタニック号の汽笛みたい」、「お腹が鳴る音みたい」などの書き込みがありました。

またあるユーザーは「サックス奏者として、あの“どっしりサックス”を吹く力が心底ほしい」とコメントしました。
この巨大サクソフォンは、アドルフ・サックスの生誕200周年を記念し、2014年に制作されたものです。