車いすテニス小田凱人選手 4つのギネス世界記録を更新

掲載日 令和08年5月8日

車いすテニスの小田凱人選手が、新たに4つのギネス世界記録を更新しました。

  • キャリアゴールデンスラムを達成した最年少車いすテニス選手|Youngest wheelchair tennis player to complete a Career Golden Slam(19歳121日)
  • 「キャリアグランドスラム」を達成した最年少車いすテニス選手|Youngest wheelchair tennis player to complete a Career Grand Slam(19歳121日)
  • 全米オープン車いすテニスシングルス最年少優勝者(男子)|Youngest winner of the US Open Wheelchair Men's Singles title(19歳121日)
  • 全豪オープン車いすテニスシングルス最年少優勝者(男子)|Youngest winner of the Australian Open Wheelchair Men's Singles title(17歳264日)

小田選手は2023年当時に全仏オープン、グランドスラム、世界ランキング1位、ウィンブルドンの最年少優勝者・獲得者としてギネス世界記録を達成しています。それから3年の選手キャリアを経て、新たな記録を多数打ち出したのです。

ギネスワールドレコーズは、3年ぶりに小田選手にお会いし、直接公式認定証をお渡しすることができました。

複数の最年少記録を達成してから数年、本記事掲載日の5月8日に20歳を迎えた小田選手に今の心境をお伺いしました。

Tokito Oda surrounded by GWR official certificate

――2023年に認定証をお渡しして3年になります。振り返ってみていかがですか。

今それを聞いて「もう3年経ったんだ」と感じました。車いすテニスは、グランドスラムと呼ばれる大きな大会が年に4回(1月、6月、7月、9月と、割とスパンが短い中で)あるので、あっという間に1年が過ぎていくような感覚があります。

そこからどんどん積み重ねていって、全仏に関しては3連覇中で、今年は4連覇がかかっているのですが、それだけじゃなく、今年は4大会を全部優勝して、自分の中で更に特別な一年にしたいと思ってます。

――前回の認定から、コート内外で幅広く活躍していますが、そういった変化についてどう受け止めていますか?

今振り返ると、当時は選手としてまだまだだったなと思います。今もオンコートとオフコートのバランスが難しいところはあるんですけど、ただ試合をして終わりではなく、自分が惚れた車いすテニスという競技をもっといろんな人に知ってもらいたいなと思って活動するようになりました。

車いすテニスは、もっといろんな人に好きになってもらえる競技だという自信もありますし、車いすテニスを知ってもらうことが僕のモチベーションでもあります。(車いすテニスと)違った事をしていても、それが結果的には、自分のテニスに繋がると思って頑張っています。

実際、「今まで見たことがなかったけど、小田選手をきっかけに車いすテニスを観るようになりました」と声をかけて頂く事もありました。日本での試合も、出場し始めた時は本当に自分が出場している事を知っている人は少なかったのですが、試合を重ねるにつれて知ってくれている人が増えてきました。新たな層を自分がテニス界に誘うことができたら、自分にとっても競技にとっても、プラスになると思います。

Tokito Oda posing with GWR certificates

――一般的なテニスと車いすテニスについて区別されることに対して、どう考えていますか?

そこを分けずに見てもらえたら嬉しいですけど、「普通のテニスより車いすのが面白いんじゃないか」っていう所まで思ってもらえたら、もっと嬉しいですね。

テニスから派生したスポーツだけど、やっぱりテニスには負けたくないっていう気持ちはあります。だから、車いすテニスを、テニスと遜色のないレベルに持っていきたい。選手としてもそうだし、大会全体も含めて、車いすテニスだけで成立するような競技になる事を目指しています。

――20歳になったことに対して、どんな意識を持っていますか?

大人になったな、というのが一番の感想ですかね。若さゆえに何かに拘束されていたような部分は感じてはいて、もうちょっと年齢が追いついてきて欲しいというのはずっと思っていました。それが、20歳になったらなくなっていくのかなと思っています。

ただ、20歳からの自分をどう表現していくのかはまだ見えていません。今回のギネス世界記録の「最年少記録」や「最年少」というのは、自分の若さを表現する自己表現のひとつだったと思うんです。20~30年後にレジェンドと言われるような存在になりたいと思っていますが、それまでどうやって自分を表現していくのかは、20代になったこれから探していきたいなと思っています。

――普段はチルな感じといいますか、落ち着いてらっしゃるっていう印象がありますが、コートでは溢れるパッションがあると思います。その原動力は何だと思いますか?

自分ではあんまりわからないですけど、もともと性格的に人と違うことしたりとか、人と違うことにそんなに嫌な気持ちにならないタイプなので、それかなと。

車いすになっても、(先行きが不安でどうなるかとか)あんまり怖いとかはなかったし、人と違った環境にいても苦にならなかったのは、自分的には助かったのかもしれません。逆にみんなと一緒の方が多分生きづらかったんだろうなと思います。

テニスに偶然出会ったことも良かったんじゃないかなと思います。見た目でもスポーツでも何でも、みんなと一緒だったらもっと悩んでたんじゃないかなと思います。

Tokito Oda with GWR certificates with suit copyrighted

――もし周りとの違いに悩んでいる小学生が、「ギネス世界記録」で小田選手の記事を見かけたら、どんなメッセージを送りますか?

僕も周りとの違いが気にならなかったことがないわけじゃないんです。学校にいると、みんな、気になったり迷ったりとかすることはあると思います。

ただ、僕の場合は、人との違いがあったとしても、どうやったら自分がプラスに持っていけるかみたいなことは常に考えてはいました。今振り返ってみると、考え方さえ変えられれば、(周りとの違いがあって)良かったんじゃないかなって思えるようになる気がします。

自分も、価値観ががらっと変わったし、別にこれでいいんだって楽な気持ちにもなりました。

(周りとの違いは)そんなに気にせず、人と同じになって悩むより、自分のオリジナリティを探して悩んだ方がいいと思います。その方が絶対にチャンスを掴める側に立つことができると思うので、そう思って頑張って欲しいですね。