はじまりは「もったいない精神」
創業者の上島忠雄氏が『UCC ミルクコーヒー』を思いついた時のエピソードがある。ある日列車で移動中、停車駅で降り、電車が動くまでの間に構内で飲むつもりで、瓶に入ったコーヒー牛乳を買った。しかし思いのほか早く発車ベルが鳴り出し、飲みきれぬままに瓶を店に返し列車に飛び乗った。
もったいない――。その想いをきっかけに、コーヒー牛乳を瓶から缶に詰める事を思いついたのだ。そんな創業者の”もったいない精神”について、上島達司会長はこう語った。
瓶の欠点は飲み残しだけではなかった。瓶は重く、割れると危険だ。当時は線路や、列車内で捨てる人もいたため、ゴミの問題になったり、ガラスの破片で怪我をした人が出たりしたそうだ。
当時、缶は主に食品用として使われていて、飲料については、一部のジュースや炭酸飲料のみであまり市場には出回ってはいなかった。既にレギュラーコーヒーで缶を扱っていた創業者だからこそ、コーヒーと缶を結びつける事ができたと、達司会長は言う。







