伝説を作る
ディヴィッド卿は、1952年にBBCに入社し、インターンとして働いていたが、翌年の9月には『アニマル・ディスガイズ』でスクリーンデビューを果たした。この番組では、動物が色やマークによってカモフラージュしたり、捕食者を警戒したり、仲間を引き寄せたりする方法を紹介した。しかし、彼の本格的なキャリアは、1954年12月に放送された『Zoo Quest』から始まった。この番組は、スタジオでのプレゼンテーションと現場で撮影された映像を組み合わせたもので、当時としては前例のないアプローチだった。
ロンドン動物園のスタッフを伴って、様々な熱帯の国々を訪れた。ニシキヘビやコモドドラゴン、極楽鳥などのエキゾチックな動物を初めてテレビで見ることができる番組だった。この番組は非常に人気が高く、シリーズは7年間続いた。
1960年代、BBCで順調にキャリアを積んできた彼は、設立間もないBBC 2チャンネルのコントローラーなどの重役を務め、大好きな野生動物番組の制作からはほとんど遠ざかっていた。しかし、その間、彼は一連の伝説的なテレビシリーズの制作に貢献した。その中には、文化や思想を家庭の視聴者に紹介するという先駆的なアプローチで制作された、画期的なドキュメンタリー番組『Civilisation』や『The Ascent of Man』も含まれている。
在任中には、アナーキーなコメディ番組『Monty Python’s Flying Circus(空飛ぶモンティ・パイソン)』、スポーツ番組の定番『Match of the Day(マッチ・オブ・ザ・デイ)』、人気の高い音楽番組『The Old Grey Whistle Test(オールド・グレイ・ホイッスル・テスト)』など、文化の違いを超えた様々なシリーズを制作した。1971年には、ニューギニアの高地で失われた部族を探し、『A Blank on the Map』の撮影を行った。