障がいのクラシフィケーション・ガイド

ギネスワールドレコーズは記録挑戦の機会はだれにでも、どこででも、あるべきだと考えます。身体、視覚、そして知的障がいを持つ挑戦者にも記録挑戦の機会を提供するために、スポーツ、ストレングス(力を要する挑戦)、ジャーニー(旅)に関連する記録にクラス分け制度を導入しました。クラス分けにより、より平等な条件下で記録挑戦ができることを願っています。

以下の記録カテゴリーがクラス分け制度の対象となります。

  • スポーツ系:腕立て伏せ、懸垂、スクワットなどのジムで行うエクササイズ。トレッドミル、フィットネスバイク、屋内でのローイング。サッカーボールタッチやバスケットボールフリースローなどのスポーツスキル。ランニング、サイクリング、水泳、ハンドサイクル、車いすレース、三輪車競技。格闘技の打撃技、その他多数。
  • ストレングス系:重量を挙げたり引っ張ったりする記録。ブロック割り。車両を引っ張る記録。ストロングパーソン系イベント。その他多数。
  • ジャーニー系:場所から場所への移動。一周記録。最長距離。時間制限内に訪問した場所最多数。その他多数。

クラシフィケーションが加わったスポーツ系、ストレングス系、ジャーニー系の記録への挑戦を希望する場合は申請時にどの障がいクラスに該当するかをお知らせください。以下のステップで申請をお願いします。

以下のステップで申請してください。

  1. ログイン、またはアカウントがない場合は登録を行ってください。
  2. 登録が済んだらデータベースを検索し記録のアイディアや挑戦したい記録タイトルを見つけてください。
  3. 挑戦したいクラスの記録タイトルが見つからない場合、新しい記録タイトルに申請しなくてはならない場合があります。
  4. 新しい記録タイトルに申請する場合はギネスワールドレコーズがどのような記録を認定しているか一度確認する事をお勧めします。ギネス世界記録タイトルの基準についてはこちらを参照してください。
  5. 申請が送信されると、記録管理部があなたの提案を審査し、記録開設が可能とみなされた場合にのみ、ガイドラインが発行されます。

ギネス世界記録のクラシフィケーションは今後も進化し、増えていく予定です。どのクラス分けが適切かわからない場合は医療の専門家にご相談の上での申請をお願いします。クラス分けに含まれない障がいをお持ちの場合は ご連絡ください

クラシフィケーションの定義と条件

一下肢膝上切断(LA1)

本記録での一下肢膝上切断とは、挑戦者の下肢が膝関節から、またはそれより上部から欠損している事を意味する。一下肢のみの欠損が対象となる。

一下肢膝下切断(LA2)

本記録での一下肢膝下切断とは、挑戦者の下腿、足の欠損を意味する。膝関節はあるが足関節が欠損している。一下肢のみの欠損が対象となる。

両下肢膝上切断(LA3)

本記録での両下肢膝上切断とは、挑戦者の両下肢が膝関節から、またはそれより上部から欠損している事を意味する。両下肢とは両方の下肢を対象とする。

両下肢膝下切断(LA4)

本記録での両下肢膝上切断とは、挑戦者の両下腿、両足の欠損を意味する。膝関節はあるが足関節が欠損している。両下肢とは両方の下肢を対象とする。

一上肢肘上切断(AA1)

本記録での一上肢肘上切断とは、挑戦者の上肢が肘関節より上部から、または肩関節から欠損している事を意味する。肘関節は欠損している。一上肢のみの欠損が対象となる。

一上肢肘下切断(AA2)

本記録での一上肢肘下切断とは、挑戦者の上肢が肘関節より下部から欠損している事を意味する。肘関節はあるが手関節は欠損している。一上肢のみの欠損が対象となる。

両上肢肘上切断(AA3)

本記録での両上肢肘上切断とは、挑戦者の両上肢が肘関節より上部から、または肩関節から欠損している事を意味する。肘関節は欠損している。両上肢とは両方の上肢を対象とする。

両上肢肘下切断(AA4)

本記録での両上肢肘下切断とは、挑戦者の上肢が肘関節より下部から欠損している事を意味する。肘関節はあるが手関節は欠損している。両上肢とは両方の上肢を対象とする。

視覚障がい1(IS1)

このクラスの挑戦者は、視力がLogMAR0.5以上1.48以下である、または視野直径が40度未満である、あるいはその両方であること。挑戦中のシミュレーションゴーグルや目隠しの着用は認められないが、目の保護具は任意で着用できる。

視覚障がい2(IS2)

このクラスの挑戦者は、視力がLogMAR1.5以上2.58以下であること。挑戦中のシミュレーションゴーグルや目隠しの着用は認められないが、目の保護具は任意で着用できる。

視覚障がい3(IS3)

このクラスの挑戦者は、視力がLogMAR2.60以上であること。挑戦中のシミュレーションゴーグルや目隠しの着用は認められないが、目の保護具は任意で着用できる。

視覚障がい4(IS4)

このクラスの挑戦者は、視野直径が10度未満であること。挑戦中のシミュレーションゴーグルや目隠しの着用は認められないが、目の保護具は任意で着用できる。

低身長(SS)

本記録での低身長とは、18歳以上で147.32cm(4フィート10インチ)以下の身長の挑戦者を意味する。

運動障がい:四肢麻痺(CI1)

本記録での運動障がい:四肢麻痺とは、四肢(上肢および下肢)全ての円滑な動作が失われている事を意味する。このクラスには筋緊張亢進、運動失調、およびアテトーゼの疾患が含まれる。

運動障がい:単麻痺・上肢(CIM1)

本記録での運動障がい:単麻痺・上肢とは、一上肢(片上肢)の円滑な動作が失われている事を意味する。このクラスには筋緊張亢進、運動失調、およびアテトーゼの疾患が含まれる。

運動障がい:単麻痺・下肢(CIM2)

本記録での運動障がい:単麻痺・下肢とは、一下肢(片下肢)の円滑な動作が失われている事を意味する。このクラスには筋緊張亢進、運動失調、およびアテトーゼの疾患が含まれる。

運動障がい:片麻痺(CIH)

本記録での運動障がい:片麻痺とは、身体の片側(左右どちらか)の円滑な動作が失われている事を意味する。このクラスには筋緊張亢進、運動失調、およびアテトーゼの疾患が含まれる。

運動障がい:両麻痺・上肢(CID1)

本記録での運動障がい:両麻痺・上肢とは、身体の両側の上肢(両上肢)の円滑な動作が失われている事を意味する。このクラスには筋緊張亢進、運動失調、およびアテトーゼの疾患が含まれる。

運動障がい:両麻痺・下肢(CID2)

本記録での運動障がい:両麻痺・下肢とは、身体の両側の下肢(両下肢)の円滑な動作が失われている事を意味する。このクラスには筋緊張亢進、運動失調、およびアテトーゼの疾患が含まれる。

筋障がい:上肢 (MP1)

本記録での筋障がい:上肢とは、上肢や肩の動作の為の筋力が低下している事を意味する。上肢・肩に制限された機能性を認めるが、体幹・下肢の機能性は認められない。

筋障がい:体幹 (MP2)

本記録での筋障がい:体幹とは、体幹の動作の為の筋力が低下している事を意味する。上肢・肩の筋力低下はないが、体幹の機能に制限が認められると共に、下肢の機能性は認められない。

筋障がい:下肢 (MP3)

本記録での筋障がい:下肢とは、下肢の動作の為の筋力が低下している事を意味する。上肢・肩の筋力低下はないが、体幹の機能に制限が認められる場合があるのと共に、下肢の機能性に制限が認められる。

知的障がい (II)

本記録での知的障がいとは学習または適応能力に継続する相当なる制限が認められる事を意味し、日常的な作業に助けを必要とする。挑戦者は、医療機関にて身体能力に大きな影響を及ぼす認知能力の障がいがあるとの診断を受けていること。

ガイドラインの適正な調整

ギネス世界記録タイトルに挑戦する際、障がい者が健常者と比べて不利にならないよう、条件を同じにするためのガイドラインの適正な調整を行う場合があります。例えば、必要に応じて装具の使用を認めたり休憩時間を延長させたりすることによって、障がい者が適切な環境で記録に挑戦できるようにします。

ポジティブアクション

ポジティブアクションは、取り上げられることの少ない少数グループをより取り上げ、また参加を促すための施策とも言えます。 ギネスワールドレコーズにおいては、登録する記録タイトルが可能な限りインクルーシブであることを意味します。ポジティブアクションを起こすことができる場合、ギネスワールドレコーズは通常の基準の範囲外の要素が含まれた記録タイトルの開設等を検討します。通常の場合、これは身体、視覚、そして知的障がいを持つ方々の興味・参加を促すための、障がいを持っていない人が挑戦できない障がいのクラシフィケーションに基づいた新たな記録を開設することを指します。.