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オーストラリア出身で、現在はシカゴに住んでいるジェニー・ドーンさんは、インドアで体を動かすためにフラフープを取り入れたのは何年も前のこと。はじめた当初は、フラフープで前代未聞の偉業に挑むとは思っていませんでした。  

ある日、ジェニーさんはひとつのスピーチを聞きます。そのスピーチでは、身体とメンタルの限界を超えるために挑戦をすることを訴えていました。このメッセージに感化されたジェニーさんは、達成不可能に感じるギネス世界記録「最長のフラフープ・マラソン|longest marathon hula hooping」に挑戦することにしたのです。  

ジェニーさんによると、以前にもバンクーバーからモントリオールまでサイクリングで横断するといった、耐久力が求められることをしてきたそうですが、もっとできると確信していたと言います。

「自分をもっとプッシュして、世界で一番になれるかを試してみたかったんです」

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超えなければいけない前記録は75時間。成功するためにはハードなトレーニングが必要でした。そのためジェニーさんは、50マイルのレースのために使われる16週間のプログラムを、フラフープに置き換えて実行。週末になると50時間フラフープを回し続け、シェアハウスの同居人と毎週家で映画を観る水曜の夜も、映画鑑賞に参加しながらフラフープを回し続けました。「ワイルド・スピード」シリーズ全8作を一気に観た夜も、フラフープを回し続けたとか!

そしてジェニーさんは、記録挑戦を通じてメンタルヘルスの非営利組織「Mental Health America(メンタルヘルス・アメリカ)」へのファンドレイジングも実行しました。「私もうつ病の経験があります。心の病で苦しんでいる人たちに、少しでも"ひとりじゃない”と感じてもらえるように、記録挑戦をライブ配信して、ファンドレイジングを行いました」

ジェニーさんが最終的に達成したタイムは100時間。挑戦中、たった4時間しか睡眠をとらず、長くフラフープを回し続けたことによって怪我もしました。「64時間経ったころ、フラフープが皮膚をえぐって出血をしてしまいました」

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ジェニーさんによると、リハーサルでは50時間までしか連続でフラフープを回していなかったため、その後どうなるかは分からなかったそう。しかし挑戦本番で背中を押し続けてくれたのは、家族だったと言います。

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「家族は私にとっての最大のインスピレーションです。ベトナムで生まれて1980年代に、言語も知らず、知人もいないオーストラリアに移住しました。差別や逆境を乗り越えて、私や私の兄弟により多くのチャンスを与えるために、新しい土地での挑戦を続けたんです」

見事100時間のフラフープ回しと、4,890ドルのファンドレイジングに成功したジェニーさん。当初の目的だった、自身の限界を突破することに成功しました。

「私の記録挑戦の道のりは、人それぞれの可能性に期待を持たせるものだと思います。自分が思っている"限界"について、もっとできるのではないかと疑問を持ってほしいです。またこれをきっかけに、自分のコンフォートゾーンから抜け出し、努力を通じて限界を超えてくれたらと思います」