
ワクワクする気持ちが、「やるぞ!」という情熱に変わる:倉木麻衣インタビュー
アニメ『名探偵コナン』のテーマ曲を歌い続けてきた歌手 倉木麻衣が、提供した楽曲数でギネス世界記録に認定された。その楽曲数は、21曲。どんな想いで歌ってきたのか? 本人にその胸の内を聞きました。
※写真上: (c) 青山剛昌/小学館・読売テレビ・TMS 1996
一覧に戻るーーまず、ギネス世界記録認定を受けて、どう感じましたか。そしてこれまで、どんな想いでテーマ曲を歌ってきたのですか。
「ギネス世界記録? まさか!」というのが、はじめて聞かされたときの率直な気持ちでした。
名探偵コナンは、子供の頃は、自分のお小遣いを貯めて単行本を買っていたほどの大ファンで、まさか自分が歌手になってこんな記録をもらえるなんて、と感無量の想いなんです。17年前にはじめて自分にテーマ曲の話がきたときは、「全ての運を使い果たしてしまった!」と思ったほど、自分にとっては凄く嬉しいことでした。
それが、私自身のファンの方だけではなく、『名探偵コナン』ファンの方々にも受け入れてもらえて、今の私にとっては、家族みたいな存在になっていますし、自分のキャリアにとってなくてはならないものでもあります。
「ストーリーの一部として私の曲を感じてもらえたらいいな。ストーリーに寄り添える歌になったらいいな」というシンプルな想いで歌い続けてきました。
ーー世界的人気を誇るアニメ『名探偵コナン』の主題歌、世界に届けられる歌を歌っている気持ちは。
『名探偵コナン』を通じてファンになってもらえた人には、「あっ、コナンのお姉さんだ!」と言ってもらえたり、幼い頃ファンだった方がお子さんをご出産されて家族でコナンを楽しんでいるという方もいました。
日本だけじゃなくて、中国はじめアジア圏でも、コナン君はとても人気が高くて、好きで続けてきたことがどんどんと世界に広がっていって、私自身、本当に驚いています。きっと『名探偵コナン』で描かれている「愛」とか「友情」という想いは、言葉が通じなくても世界に届くんだなぁ、と感じています。
ーーご自身で書かれる「作詞」は、どんな風にするのですか。
『名探偵コナン』のテーマ曲の作詞では、キーワードをいただいて、そこから自分にないものを発見したり、刺激を受けたりして、言葉を引き出していくという作業を重ねて書きあげてきました。その作業がとっても楽しくて、私、大好きなんです。
ーーなるほど、毎回キーワードに対する「挑戦」があるのですね。ギネス世界記録のテーマでもあります。倉木さんにとっての「挑戦」とは、どんな意味を持ちますか。
私にとって「挑戦すること」とは、ワクワクする気持ちやドキドキする気持ちから夢や希望が沸きあがって、「やるぞ!」という情熱に変わることです。特に「出会い」は、新しい自分を引き出してくれると思っています。
自分だけだとどうしても限界があるものを、色々な出会いがあったり刺激があると、「あきらめないぞ!」という気持ちになれたり、自分も知らなかった可能性を引き出してもらえたりします。
ーー今後、ご本人として挑戦したいことはありますか。
私自身は、「笑顔をつなげる」ということをテーマに、夢や希望、ハッピーになれる楽曲を提供し続けていきたいです。それから、いつでも、「新しい倉木麻衣」として常に新しいことに挑戦していきたいと思っているんです。この記録でも、引き続き記録をより多く更新できるように頑張っていきたいと思っています。
ーーぜひ、頑張ってください! 心から応援しています![ 編集部|スズ ]
記録の解説
今回記録になったのは、「同じアーティストにより歌われたアニメシリーズのテーマソング最多数|Most theme songs sung by the same artist for an animation series」というもの。2000年にTVアニメ『名探偵コナン』のエンディングテーマに『Secret of my heart』(2000年)を歌って以来、劇場版、アニメ版と共に17年間にわたりテーマ曲を提供。最近作の劇場版『名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)』の主題歌『渡月橋~君 想ふ~』まで、コラボレーションした楽曲数は21曲にものぼる。
倉木麻衣さんの記録は、書籍『ギネス世界記録2018』に掲載されています。
※タイトル写真:(c) 青山剛昌/小学館・読売テレビ・TMS 1996