Prince Harry Spare book

2023年1月10日に発売されたヘンリー王子の回顧録『スペア(Spare)』が、初日で143万部の売上げを記録し、ギネス世界記録「最もはやく売れたノンフィクション本|fastest-selling non-fiction book」に認定されました。前記録は、発売日に88.7万部の売上げを記録した、バラク・オバマ元大統領による4作目のノンフィクション『A Promised Land』(2020)です。

特異的なのは、『Spare』発売日の5日前に書籍の内容がリークされたこと。リークではドラッグの使用や、兄のウィリアム王子との軋轢などが含まれていました。それが話題を呼び、初日の販売部数にも影響を与えたのかもしれません。

出版社もリリースで「当該書籍の初日販売部数は、ペンギン・ランダムハウスが出版したノンフィクションの中で最大です」と記しました。

サセックス公爵は発売前からテレビ番組にゲスト出演し、書籍の告知を行いました。アメリカの深夜番組『ザ・レイト・ショー・ウィズ・スティーヴン・コルベア』でヘンリー王子は、王国貴族が書籍のネガティブキャンペーンを行っていたと語りました。また、ヘンリー王子と妻のメーガン・マークルを攻撃するために、彼の家族はイギリスのメディアと協力しただろうとも語りました。

そして、ダイアナ妃がまだ生きていたら、このようなことにはならなかっただろうとも言いました。「兄と私との距離が今のような状態であるはずがありません。」

Prince Harry Spare book cover

『スペア』の初版部数は200万部ですが、絶大な人気のため、既に2版が決定。アメリカでは定価が36ドル、イギリスでは28ポンドですが、多くの販売店は最大50%の割り引きをしているそう。

トランスワールド・ペンギン・ランダムハウスのマネージングディレクター、ラリー・フィンレイ氏は「初日でこれ以上の販売部数を記録したのは、もう1人のハリーが主人公の作品[ハリー・ポッター]しか思いつきません」と語りました。

『スペア』のゴーストライターはJ.R.モーリンガー。アンドレ・アガシや、ナイキ創業者のフィル・ナイトの回顧録を担当しています。ちなみにモーリンガー自身の回顧録はジョージ・クルーニー監督、ベン・アフレック主演の映画『The Tender Bar』(2005)で映画化されています。

ヘンリー王子が、王族を離れてから心胸を吐露したのはこの書籍が初めてではありません。2021年にはオプラ・ウィンフリーが彼とメーガンさんをインタビューしていて、2022年にはネットフリックスのドキュメンタリー「Harry & Meghan」がリリースされています。また、雑誌『ピープル』の2023年1月版の表紙にもヘンリー王子が出る予定です。