「マラソンとギネス世界記録」という組み合わせは、実は世界各国で人気のある記録挑戦カテゴリーとなっていて、その記録数もかなりの数があります。特に、ロンドンマラソンでは、ギネス世界記録の本社があるということもあり、多くのランナーがそれぞれ違った形の世界一を目指して走るという事実があります。さて、では、日本では、どうでしょう? もちろんマラソンの競技人口が多い日本でも、これまでギネス世界記録を目指す人は多くありました。そして、その中でも、全国から注目を集めるのが、東京マラソンです。では、この東京マラソン、どんなギネス世界記録が誕生したのでしょうか?

2015年2月22日、日曜日、東京マラソン2015が開催されました。コースは、東京都庁舎をスタートして、
東京ビッグサイトにゴールするというもの。ここに、3万5千人を超える参加者が青空の東京を駆け抜けました。
そして、今大会でも、ギネス世界記録が生まれることになったのです。

まず、結論から先に記すと、この大会で生まれたギネス世界記録は、4タイトルです。
しかも、この4タイトルは、かなり重みのあるタイトルで、
打ち破るのが難しいハイレベルな記録だと思うので、認定された皆様はもとより、
日本人が喜んでいい記録なのだと思います。
では、早速、その4タイトルをみてください。 


■「20ポンド(9.07kg)の荷物を背負って走った最速マラソンタイム(女性) 」:

 この記録に挑戦したのは、江田良子さんという女性で、実はこの方、元ベルリンオリンピック代表の選手でもあった方です。
 そして、彼女が打ち破らなければならなかった記録は、5時間7分56秒 というもの。
 これに対して、彼女が出した記録は、3時間22分53秒。なんと、1時間30分以上もの記録短縮を示したことになるのです。 



marathon02


FemaleFin


■「20ポンド(9.07kg)の荷物を背負って走った最速マラソンタイム(男性)」:

 次に、上記と同じ記録に挑んだのは、 瀧田護さんで元箱根ランナーです。
 彼が破る必要があった記録は、 3時間12分29秒 でしたが、
 残念ながら、彼は途中で呼吸が乱れてしまって、 3時間20分24秒という記録に終わることになり、
 ギネス世界記録認定とはなりませんでした。

 それでも、記録に肉薄した 3時間20分代をマークしたのは、「さすが!」という印象でした。
 あきらめない挑戦の姿には勇気をもらった人も多かったのではないでしょうか。

 ■「40ポンド(18.1kg)の荷物を背負って走った最速マラソンタイム(男性)」 :

 この記録に挑戦したのは、望月省吾さんです。彼は、ちょっと尋常じゃないエネルギーを持ったアスリートです。
  現役の消防士であり、トランスジャパンアルプスレースを3連覇した人物でもあります。
  トランスジャパンアルプスレースというのは、
  日本アルプスを縦断して、太平洋側の駿河湾まで415キロメートルを
     約1週間で走り、歩き抜くクレイジーな競技です。
  彼が破る必要があった記録は、3時間25分21秒という記録だったのですが、
    彼がこれを破り出した記録というのが、3時間6分16秒という、驚愕の記録となったのです。
    そして、実は、この記録、「20ポンド(9.07 b)の荷物~」の記録である3時間12分29秒さえも
  超えてしまっているのです。
    というわけで、彼の今回の結果は、2つのギネス世界記録認定へとつながったのです。 




marathon01

 

certificate40LBguys




bag-40lbMale 
■   「家族三世代でマラソンを完走した合計最高齢」

  そして、最後の挑戦は、前3つの記録とは趣きが異なる記録になります。
   この記録は、三世代から各3人が完走して、その合計の年齢で競う記録です。
  この記録に挑むのは、
阿南重継さん(90歳) 、中武靖子さん(54歳) 、中武優さ(28歳)の3人。
  この3人の合計
年齢は、173歳163日ですから、
    7時間以内に完走すれば、ギネス世界記録へ認定されるということになります。
 そして、打ち出されたタイムは、
6時間42分28という記録で
 見事時間内に走り切り、ギネス世界記録へと達成されることになったのです。
 90歳の阿南さんがマラソンをはじめたのは40代。
 そこからのマラソン経験を積み重ね、約半世紀走り続けてきました。
 3人が阿南さんを囲む姿、本当に微笑ましいものがあると同時に、
  人間としての逞しさや高貴ささえ、感じられました。 


3GeneFinish


3GeneFinish01


本大会、世界一に挑まれた6人のランナーの方々、皆さん、全力で駆け抜けたことと思います。

記録になった人もならなかった人もいましたが、
東京マラソン2015において、4つのギネス世界記録が誕生したことは、本当に嬉しいことですし、
たくさんの人たちに大きな感動と勇気を与えてくれたと思います。


東京という土地が、マラソンに染まった1日となりましたが、
いやあ、それにしても、
何かに挑戦するということ、世界を見て挑むということ、
本当に素晴らしいことですね。
感動をありがとうございました!


[編集部 スズ]