「ジェームズ・ボンド」シリーズの醍醐味と言えば、スタントやアクションシーン。そして……そう、『爆破』です。
第25作となった『007／ノー・タイム・トゥ・ダイ』では、なんとギネス世界記録「シングルテイクで爆弾を爆破させた最大量｜most high explosives detonated in a single film take」を達成したのです。
その"記録的"なテイクは、クライマックスとも言えるエンディング。撮影は2019年3月8日に行われ、TNT換算で134.6 kgの爆弾を爆破しました。
「ジェームズ・ボンド」シリーズが達成してきた他の記録とは違い、今回は計画していなかったのに達成した記録でした。映画で特殊効果コーディネーターを務めるクリス・コーボールドさんは、撮影現場で初めて、新たな記録達成の可能性について知ったそうです。
爆破の準備を行っていたときに、専門の会社 Event Horizon の人が「そうだ、クリスさん、他にも[ギネス世界記録]があるの知ってる？」と言ってきたんだ。すでに『スペクター』で達成していたと思っていたけど、ワンショットで使った爆破量の記録もあったらしい。当時あった記録は65 kg だったけど、私たちが仕込んだのは 140 kg だった - クリス・コーボールド氏
スクリーンでの画力を出すために、3つの爆破が同時に行われ、ドローンがそれぞれの爆発を様々なアングルから撮影。爆破をコントロールするために、約1.5 m の穴をあけ、そこにTNT換算で10 kgの爆弾を入れたそうです。
さらにCGなどの効果を使い、ソールズベリーで撮影された爆破のシーンは映画のシーンと合成され、敵の研究所をミサイルで撃破したシーンとなりました。
『ノー・タイム・トゥ・ダイ』は、ダニエル・クレイグ主役の最終作。公開はパンデミックの影響で一時延期にもなりました。
「ジェームズ・ボンド」シリーズの制作チームはこの他にも以下のような記録を達成しています：
- 「車でキャノン・ロールを行った最多数｜Most cannon rolls in a car:」（『カジノ・ロワイヤル』の撮影において、スタントマン、アダム・カーリーがアストンマーティンDBSで7回達成）
- 「映画における最大の爆破｜Largest film stunt explosion」（『スペクター』において、TNT換算で合計68.47トンの爆破を達成）
