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ギネスワールドレコーズの公式認定員、マイケル・エンプリックは、主にアメリカで活動をしています。『アメリカズ・ゴット・タレント』や『ライブ・ウィズ・ケリー・アンド・マーク』と言った人気のテレビ番組における記録挑戦を審査し、認知度も高い認定員です。

彼の認定員歴は11年。ありとあらゆる現場に立ち会ってきました。そしてそれらの現場でギネスワールドレコーズの理念を体現しています。

エンプリックが、ギネスワールドレコーズで最も大事なものと考えているのは、人それぞれに存在する違いやユニークさを体現するコミュニティや人々を心から称える価値観だと言います。

「ギネスワールドレコーズに所属してから、LGBTQ+のコミュニティへのアウトリーチや受け入れが深まるのを見てきました」

その変化は一種のプロセスでもありますが、現在の状態までたどり着いたことを誇りに思っています。また、これからどのように変わっていくのかを楽しみにしています。

毎年6月に行われる「プライド月間」は、ストーンウォールの反乱をきっかけに始まったもので、LGBTQ+の権利を啓発する活動が世界各地で行われます。

ギネスワールドレコーズは、人々の個性を称えることをミッションの1つとしています。

エルビス・プレスリーのモノマネをした集まりの最多数に立ち会うマイケル・エンプリック

エンプリックは、非常に長い年月、本来の自分を隠し続けることを余儀なくされてきたコミュニティにポジティブな光を当てることは大事だと考えています。

自分に素直にいられて、自分自身に嘘をつかないで、今この瞬間を生きられることができれば、それは最高のことではないでしょうか。

「LGBTQ+のコミュニティは長年、本来の自分を隠さざるを得ませんでした。プライドがこのように世界中に広がったことはエキサイティングなことだと思います」

エンプリックもLGBTQ+の一員であることに誇りを持っています。しかし、認定員の服装を身に着ければ周りから尊敬の目で見られる一方で、残念ながら普段の生活では差別を受けた経験もあると言います。

「認定員の制服で現場に行けば、立場上私に対してけんかを売る人はいません。でもプライベートのときには当たり前のように差別を経験したことがあります。私は、自分自身が受けたい敬意と尊厳を、私自身も他の人たちに向けたいと思っています」

ヤドリギの下でキスをしたカップルの最多数に立ち会うマイケル・エンプリック

「そういった敬意や尊厳を受けられないこともありますが、それは彼らの問題であって、私の問題ではありません。だから私が相手に敬意と尊厳を持って接すれば、相手は同様の敬意と尊厳を返してくれます。LGBTQ+への態度は変わってきて、よりオープンで多様性のある社会になり、アメリカではゲイの婚姻も認められるようになりました。しかし最近はトランスの人たちに向けて逆進した動きが見えます」

「振り子の揺れのように前に進んだり後退したりしますが、大きな流れでは少しずつ前進していると願っています」

エンプリックに、幼少期の自分にアドバイスを与えるとしたらどうするかと聞くと、こう答えました。

Michael with Wildine

「夢を追って、自分にとって良いと思うことをやるべきって言うと思います。これは誰にもあてはまることかもしれませんが、若いLGBTQ+の1人に対しては特に大事なことだと思います。そしてあなたと同じ考えや感じ方をしている人がいることを知ることが大切なんです」

常に部外者のような気持ちでいるかもしれません。でももっと大きなコミュニティが君を待っているよ、と伝えたいです。いつかその素晴らしい場所にたどり着くことができるはずだから、と。

エンプリックは認定員として素晴らしい人たちに会ってきました。その1人が「最も背の低い女性|shortest woman (non-mobile)」のウィルディン・オーマースさんです。

「ウィルディンはマイアミに住んでいて、電動車いすで移動するんです。インフルエンサーとしての活動を楽しんでいて、本当に素晴らしい人物です。こう言った魅力的な人たちに会えるのが、ギネスワールドレコーズで働く魅力の1つであることは間違いありません」